truffi barando e vescovo(飛車角)
□raison d'etre 8
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「ああ〜ああ…分かってるって!!お前が云いたい事は分かるから!!」
また相方の説教が始まるかと思うとウンザリするのは分かりきっていたかのように、飛段は早々と角都の言葉を遮った。
「どうせコイツは足手まといだの、何だのって文句云うんだろ?お前はよ〜」
「…そうだ。分かっているなら、俺の機嫌を損ねるような真似はするな…さもなくば…死ぬぞ、飛段」
「だぁ〜からぁ〜!!俺にそれを云うかよ?ああ、角都?」
「飛段…」
「そんな顔して睨むなよ!!ただでさえお前、怖い顔してんのによ。コイツが怯えるだろ!?」
飛段のマントの裾を掴んだ少女は、角都の殺気を感じ取ったのか飛段の後ろに後退った。
「俺の謂う事が聞けない、と?」
角都はマントの右袖をたくし上げながら、拳を握り締める。
「ちょっ…ちょっと待てよ!そう熱くなんなって!!
コイツの事は俺が何とかするからさっ!!角都には面倒かけねぇーからっ!!なっ!?」
「…お前がその子の盾になって守ると云うのか?」
「そぉだよっ!!俺がコイツを守るからよっ!!だからなっ!?角都ゥ〜頼むよ!!」
いつものように、最後の最後で甘ったれた声で強請る飛段に呆れた角都は拳をしまい、溜め息をついた。
「ならばお前が最後までその子を守れ。守りきれなかった時は…
死ぬぞ」
「…ああ。分かってるって」
珍しく真剣な表情の飛段に呆れた角都は、一つ溜息をつく。
「しかし、そのままでは目立ち過ぎる。
何か正体を隠せる布で覆わないと…
仮にも何者かから隠されてる身分だからな、その子供は」
「おお…そうだなっ!!」
飛段は地下室へ足早に戻ると、衣装箪笥から大きな黒い布を取り出し少女の元へ戻ってきた。
その布で身体半分を覆われた少女を見て、
「角都とお揃いだなっ!!ゲハハハハ〜」と下品な笑い声を、また響かせたのだ。