truffi barando e vescovo(飛車角)

□raison d'etre 5
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雨に濡れて冷え切った身体を温め、マントを乾かす為に、
角都は再び、チャクラをコントロールしながら火遁を操り、暖炉の薪を点火させた。




少女は着替えを終えると、ベッドの上で小さな寝息を立てている。




「いずれにせよ食糧もある事だし、助かった事には違いない。
次の町へ向かうにもここからでは夜通し歩かなくてはならない距離だ。
しかも、盗賊が辺りを彷徨いているとなれば、面倒だからな…」




飛段はベッドの横に椅子を置き、寝息を立てている少女の顔を見ながら俯いていた。



「まあ、それもこれも俺のおかげって事だろ?」


「…調子に乗るな、馬鹿が」


「ハイハイ。分かりましたよ、角都の旦那」


「…フン」


一々、カンに障る奴め。



「そういえば…
お前がムキになるのは別に珍しくないが…
今日はいつもと何処か違っていた。俺の目が節穴ではなければ、な」


一瞬、飛段の肩がピクリと揺れるのを、角都は見逃さなかった。


「…図星か?やはりな」


「…角都」


「…?」


「いいぜ。お前にだけは話てやってもよ…」


「……」


「…コイツ、コイツがさ、似てんだよ…

何か、昔の俺によ...」





自分が予想していた言葉とかけ離れていたのか、角都は暫し黙ったままだった。


「俺もさ…ガキの頃、里の連中が俺の姿見て怖がってやがったんだよ…
ま、確かにこんな髪の毛の色と目の色したヤツ、フツーの人間に見えねぇしな…」



確かに…


俺を含めて、一風変わった人間(?)の集まりである暁においては、飛段の見た目などさほど気にはならないが…

一般の里の人間の中となると、浮いた存在なのは無理はない。





「俺も今のコイツと同じように扱われてたんだよ。しかも実の親に、な…」



「…暁は抜け忍の、しかも犯罪者の集まりだ。よって他人に己の事を話す者などいない…
俺にそんな話をしていいのか?飛段」



「べっつにぃ〜。俺の昔話を訊いたからって、お前の大好きな金になるワケでもないしよ。いいんじゃね?
それに…俺の相方はお前1人だろ?」





「…それならいい」




【俺の相方はお前1人だろ?】




飛段のこの科白を訊いた角都は、何となく内心喜んでいる自分に違和感を覚えつつも、

口元が緩んでいるのに気がついた
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