テイルズオブフューチャー異世界の旅人

□テイルズオブフューチャー異世界の旅人 第一章最終話〜帰還するは自分の世界へと〜
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「お前らの顔なんてあの子達は知らないだろうが」
「「銀真だって言えるだろ!!?」」
「ばかだなー、お前らと違って銀真は子どもとの接し方が上手いだろ」


それに料理もできるしな、と瀧風は後付けのように言う。いちよう理を通っているが納得できない二人だった。


「まあ、一度スタンたちの家に行くとしよう。銀真たちのの自己紹介もしたいしな、良いだろ?」
「もちろんかまわないさ」
【なんというか、ディムロスのマスターって良し悪しの意味で真っ直ぐな人だな】
【……それがたまにキズなんだがな】
【お堅いこって】
【お前のマスターこそ、自ら決めた事を必ず貫くといった性格だが?】
【良い意味でも、悪い意味でも、俺らのマスターは真っ直ぐなんだな】


ディムロスとシデンは互いのマスターに対しての感想をボソボソと言い合っていた、無論。瀧風とスタンには聞こえていない。


【あらあら、ずいぶんと話し合ってるみたいね】
【あ、いたんだ。アトワイト、ディムロスとはどーお?】
【な!? き、貴様!! 何を突然!】
【うふふ、ヒミツよ】
【ヒミツ多き女性は美しきかな】
【あら、ありがと】
【スタン! 今すぐ我を抜け! このシデンを叩き壊してくれる!】
「どうしたんだよ、ディムロス。急に?」


ディムロスはスタンに叫ぶが、まあ軽く流されるわけで。
シデンはなんか皮肉めいた声でディムロスを煽る。


【おやおやディムロス、俺はただアトワイトさんを褒めていただけですけど? なに、嫉妬ですか?】
【貴様ぁぁぁぁぁーっ!!!!】
【おお、怖い怖い】
(ディムロス弄くるの楽しんでるな、コイツ……)


シデンとディムロスの会話を聞いていた瀧風は、ディムロスに悪いと思いつつも笑っていた。


【貴様も何を笑っている!?】
「表現の自由です」


ため息をつくと瀧風は歩く、クレスタの道具屋へと進む。


「んじゃ、俺はグミとか、ボトルとか買うから」
「わかったよ」


瀧風と咲は道具屋へと向かって歩き始める。


「咲」
「なに、お兄ちゃん」
「フィックへのお土産、どうしようか」
「それはお兄ちゃんが考えることだよ♪」
「それもそうか」

暢気に歩く二人、それは兄妹の小さな二人きりの時間。
肉親と一緒の時間だった、それでも二人はあまり話さずに歩く。すでに相手のことがわかっているからだ、だから話す必要があまりないのだ。





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