テイルズオブフューチャー異世界の旅人
□テイルズオブフューチャー異世界の旅人 第十九話〜裏切りと勘違いは紙一重〜
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「くらえ、時雨槍雨!」
「割破爆走撃!」
バルクはロボットに槍の形をした水をロボットに飛ばし、マリーは斧でアスファルトをカチ割りながらロボットに体当たりをかます。バルクは水を飛ばしたあとその場所で槍を構える
「時雨風槍!」
ズガガガッ!! と風がロボットの装甲を削る音が響く。ロボットは水のせいで少々ショートしている。
そしてロボットの上には一人の影がある、その人物はもちろん
「陽炎!」
斧を構えるマリーである。
ロボットの右腕を真上から切り裂いたマリーは、バックステップをして下がる。
下がった理由は言うまでもなく、詠唱に入っている人物。瀧風咲である
「一気に消し飛びなさい、太古に刻まれし炎よ焼き尽くせ、エンシェントノヴァ!」
ロボットの頭上に太古の炎が呼び出され、ロボットに一気に落下する。光のあとに、ズゴンッ!! と物質が落ちる音がやや遅れて響いた。無論、ロボットは砕け散った。少しばかり破片が溶けかけてはいるが
「追ってきたのはこれだけか?」
「おそらくは」
マリーの疑問にバルクは自信無さげに答える。大方瀧風や散開したみんなが心配なのだろう。しかしそんな思いをぶち壊すようなことが起きる
「「「ッ!!?」」」
ドッガァァン!! とまるで強力な音響手榴弾を至近距離でブッぱなしたような轟音が奥から聞こえた。バルクは警戒しながらも角から廊下の様子を見る。しかし待てども煙りすら見当たらない
「今のは一体……」
「わかりません、ですが確認しに行った方が良さそうですね。もしかしたら先ほど別れた銀真さん達がロボットと戦っているかもしれませんし」
実際に当たっているから、バルクの勘はいいのだろう。そしてそのままバルク達は轟音がした方へと向かう
「うーむ……こんな程度ですか」
この建物の中央区間に値する広場に突っ立っている茶髪黒眼の男、テナスは倒れたジグルと瀧風を見ながらつまらなそうに呟いていた
「まぁ少しは実験結果は出ましたから役にはたちましたよ。これでAI-ACシリーズの強化にも力が入るってものです」
テナスの言い方は二人を褒め称える言い方ではなく、不必要なものに対するような言い方だった。
さて帰ろうか、思ったテナスは中央区間から出ようとしたとき
「はて? ボクの右腕は何処だい?」
テナスの右腕が肩から先の部分が無くなっていた
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