テイルズオブフューチャー異世界の旅人

□テイルズオブフューチャー異世界の旅人 第二十一話〜決着をつけに(前編)〜
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瀧風と闇を統べし者の刀と剣が激しくぶつかりあう。既に瀧風の魔法鞘は砕け散っており、瀧風は一刀流で応戦していた。
瀧風は思わず心の中で舌打ちをした


「(元々俺は一刀流なんてやったことないのが仇になったか……ッと!!)」


瀧風は思雷(シデン)で闇を統べし者(withアサワール) の剣をギリギリまで引き寄せから上へと弾いた。思わぬ反撃に驚いた闇を統べし者は踏ん張りをきかせて、そのまま振り下ろすものの、既に瀧風は真横にいた


「はぁぁぁ────ッ!!」

「ぐはっ!?」


横一閃に脇腹を斬られた闇を統べし者は心底恨めしそうに瀧風を睨み付ける。
調子が出てきたのか瀧風は深呼吸する。これが彼の癖みたいなものだ、瀧風はいつも調子が上がってくると深呼吸をする。別に落ち着くわけではないのだが、とにかく深呼吸をするのだ


「スゥ、ハァ……」


慣れない一刀流だと瀧風は言うが、他から見れば剣術としてしっかりしているのだ。中級者が挑んだ所で軽くいなされるのがオチなのだが、流石に上級者となると難しいらしい。だから瀧風は苦戦していた、それだけではない、闇を統べし者が元より強いのだ。だがしかし瀧風から見れば闇を統べし者は遊んでいるようにしか見えなかった。
再び心の中で舌打ちをすると、瀧風は思雷を後ろに構えた


「我流だが、身につけた業があるもんだ」

「だったら見せてみやがれよ、へなちょこな攻撃なんざ避けたらぁ」


というのはブラフなのはここだけの話。
瀧風は闇を統べし者の挑発など耳にしなかった。精神を集中させていたからだ、どんな業でも当たらなければ意味はない。だから瀧風はここぞとばかりに集中する、まるで戦時中のような鋭さと正確さを取り戻したように


「(随分前……旅を始めて間もない頃に会ったとある少年が気軽そうに教えてもらったその少年の一族に伝わる業……こんな時に役立つとは)使わせて貰うぞ、あの時の少年!」


瀧風は思雷の刃先を更に地面へと近づける


「(氷尾、力を貸せ!)」

<了解!>

【いったい、何をするつもりだ。瀧風?】


思雷の刃先に僅かだが冷気が籠る、瀧風はそれを確認すると、そのまま駆けた


「あの時の少年に教わった業、思う存分にくらえ! 氷閃流、帯の型、一式。颪(おろし)!」


闇を統べし者の前まで来ると、瀧風は冷気を纏った思雷を上へと振りかぶる。闇を統べし者は何ら苦労もなく避けたが、それがまずかった





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