テイルズオブフューチャー異世界の旅人
□テイルズオブフューチャー異世界の旅人 第十九話〜裏切りと勘違いは紙一重〜
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サイクスは静かにモニター室の扉を開ける、中は約一六個程のテレビが縦四つ、横四つの正方形に配置されているのがわかる。サイクスは堂々とモニター室に入った。そして一六個程のテレビの前にあるソファーに近づき、笑う
「久しいな、アサワール」
「……久しぶりだな、サイクスよ」
そこにはテレビを眺めるアサワールがいた。サイクスは隣に座り、テレビを眺める
「近状報告か?」
「いや違うな。俺が報告するのは……」
サイクスはソファーから立ち上がり、アサワールに武器を構える。サイクスの武器は平べったい巨大な棍棒みたいな物だ
「アンタの計画から外れるための宣戦布告だ」
微笑を浮かべアサワールに宣告する。アサワールは驚いて唖然とするが少し時間が経つと、アサワールは大きく笑う
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!! 面白い事を言うな、サイクス! 貴様は俺様に助けられたのを忘れたのかよ!」
アサワールは今までの口調とはまるで違う、『アサワールを操っている者』の口調だった。サイクスは大きく変わったアサワールに驚き戸惑うが、武器は向けているままだった
「くくく……ハハハハハハハハハハハハハハハ。面白い、面白いぞ貴様!」
「リーダー……いや、お前は誰だ!?」
くくく、そう笑うアサワールに対しサイクスは武器をしっかり構えていた。
アサワールはソファーから立ち上がるとサイクスを睨む
「俺様か? 俺様はアサワールさ、身体は、な。まぁついでだ、名前も教えてやるよ。俺様の名前はだな」
次の瞬間、アサワールはモニター室から吹き飛ばされた。もちろん吹き飛ばした犯人はサイクスだ。
サイクスは武器を再び構えて口を開く
「貴様の名前などどうでも良い」
サイクスは武器を右腕で持って、後ろの方へと構える。すると武器の先端に光が集まる
「今はリーダーの身体を操っている貴様を倒すだけだ」
そう宣言するとサイクスは翡翠色の光が集まった武器を構え発射した。光はアサワールを包み込み、廊下を貫いた
「クッ! こいつ固い!」
「そりゃロボットだもん、固いよ!」
場所は変わって少し開けた場所。そこにはバルクと咲とマリーがいた。
バルクとマリーは果敢にロボットに攻撃を仕掛け、咲は上級の術を発動させるために詠唱している
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