Short StoryU

□同じでいること。
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僕らはいつも一緒。

それが小さい時からの"普通"だった。

俺たちの当たり前。

どっち??って聞かれて名前を答える。

フレッド?
"ジョージだよ"

ジョージ?
"フレッドさ"

ごめんね。

"気にしなくていいよ。母さんでも時々間違えるんだ"

そう言って笑う。

いつものこと。

いつからだろうか。

そんな会話をする度に、胸の奥になにかがひっかかる。

それはだんだん大きくなっていって、

いつかそれに潰されちゃうんじゃないかと思った。

「ジョージ!!」

自分の名前を読んで駆け寄ってくる一つ下の女の子。

「どうしたの?ジョージ」

遠目からみて見分けることができた人物は今までに会ったことがなかった。

それに驚いていると顔をペチペチと叩かれる。

「大丈夫?具合悪いならホグズミートいくのやめようか?」

「いや、大丈夫だ。約束したしね。フレッドはどこだい?」

朝にちょっともめてから見ていない。

「フレッドったらね、ジョージのふりしてあたしに一緒に行こうって言ってきたのよ?ちょっと怒って、わざとジョージどこ??ってきいたら知らないって言って先行っちゃった」


何でもないことのように言うその言葉がどれほどであるか、このこはわかっているだろうか。

「ほんとに大丈夫?」
"ありがとう"

急にそう言いたくなって、でも恥ずかしくて口にはできなくて─

かわりに彼女を抱きしめる。

「ジョージ??恥ずかしいよ」

そう照れたように言いながらも腕の中におさまる彼女。

「出掛けようか」

そっと腕から解放する。

「うん」

ちょっとピンクに染まった頬が一層可愛く見えた。

「どうして僕ってわかったんだい?」

「だってジョージとフレッドは全然違うもん。見た目じゃないよ?仕草とか、歩き方とか、性格も」

胸の中から"あれ"が消えた気がした。




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