Novel Rozen

□短編集〜銀〜
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私のご主人様



「暇だなぁ・・・」


蒼星石はソファにすわり暇を持て余していた
今日は翠星石はジュンと買い物(何故?)
薔薇水晶は雪華綺晶と買い物・・・
水銀燈は・・・


「あらぁ?私がいるじゃなぁ〜い?何が暇よぉ〜」
「・・・だってさぁ・・・」


水銀燈はニヤリと笑った
何か嫌悪感があったので逃げようとしたが・・・


「蒼星石ぃ・・・ちょっと頼みごとがあるんだけどぉ〜」
「な・・・なんだよ・・・」


水銀燈の頼みはろくな事ではないだろう・・・
だが今回は意外なことだった・・・


「貴方、家事とくいでしょぉ?そ、その・・・」
「?」
「うちで働かない?」
「水銀燈の家?」


別に断る理由もなく暇だったので
蒼星石はOKしてしまった


「で?何すればいいの?」
「ん〜とじゃぁ、まずこれに着替えて♪」
「これは?」


メイド服だった・・・
蒼星石はしばしそれを見つめていた


「似合うと思うわぁ」
「でも僕、女の子っぽい服は似合わないし・・・」
「なぁ〜に言ってるのよ」


水銀燈はある写真をだした


「それは?」
「よ〜く見てみなさい」
「・・・・・・あぁっ!!!」


その写真は、蒼星石がみっちゃんにピンクのフリフリを着せられている写真だった


「い・・・いつの間に・・・」
「似合ってるじゃなぁ〜い」
「なんならこの写真、ばら撒いてもいいのよぉ?」

「わ・・・わかったよ・・・」


赤面しつつも着る蒼星石
可愛い


「着せてあげるわぁ」
「いっ!?いいよ自分で着れるし・・・」
「フフ・・・可愛い」


しばらくして蒼星石が出てきた
その姿を見て水銀燈が言った


「可愛いわねぇ・・・」
「・・・で、何するのさぁ・・・水銀燈」
「御主人様って呼びなさぁい」


蒼星石は顔が真っ赤になっている


「御主人様・・・何をすればいいでしょうか」
「う〜んとりあえずこの家全部掃除して♪」


この家?城の間違いではないか・・・


「でも、凄く広いですよ?」
「あはは〜がんばってぇ〜給料高いからいいじゃない?」
「はい・・・」


「なんで敬語?」


蒼星石は黙々と家事をこなしていく・・
こんな事も嫌いじゃなかったりするのだ
そして・・・


「おわりましたよ〜」
「お疲れ様ぁ」


水銀燈が後ろから抱きしめてきた


「ご、御主人様?離して・・っ!!?」
「可愛いわねぇ」


水銀燈が蒼星石の唇を塞いでいる


「んぅ・・・」


水銀燈が名残惜しそうに唇を離す
蒼星石は顔が真っ赤になっている。


「今日は頑張ってくれたからねぇ・・・ご褒美よ♪」
「も・・・もぅ・・・」


恥ずかしがっている蒼星石を優しい目で見つめる
そして抱きしめる


「ありがとう・・・」
「えっ?」


しばらくそうしていたら寝息が聞こえてきた・・・


「あらぁ・・・寝ちゃったわぁ・・・」
「うぅん・・・御主人様ぁ・・・」
「嬉しいわねぇ私の夢を見てくれるなんて」
「でも夢の中まで御主人様?」


「んぁっ・・・やめてくださっ・・・あぁっ・・・」
「あらら・・・一体何の夢かしらぁ^^;」
「んぁぁ・・・何処触ってるんぁ・・・」
「夢の中の私はどんなキャラかしらねぇ・・」


蒼星石が落ち着いたら
蒼星石をジュンの家まで送って行った
それでも起きなかったのは相当疲れていたからだろう・・・


水銀燈は今日あったことを思い出していた・・・
そうしてる間に眠りについた・・・


―――とても幸せそうな寝顔だった                
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