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□闇
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圧勝



「蒼星石、ローザミスティカ、いただきにきたわぁ」
「ふっ・・・」


いつもと様子の違う蒼星石に、多少戸惑った水銀燈だったが・・・


「死になさぁい!!」
「・・・」


水銀燈は、いつものように翼を広げ、羽を飛ばす。
蒼星石は笑う、勝利を確信したかのように・・・


「君の攻撃はいつもワンパターンだ」
「なっ・・・近づけないくせに何言ってるのよ!!」


蒼星石の姿が消える


「どうかな?」


水銀燈の真横に現れ、鋏で薙ぎ払う。
水銀燈は地面に叩き付けられる。


「蒼星石・・・!?」
「さぁ、終わり・・・?」


地面から水晶が無数に飛び出てくる。


「邪魔するのかい?薔薇水晶」
「邪魔?」
「そうか、君は水銀燈と手を組んだんだったな。」


だけど・・・と続ける。


「真紅たち三人で勝てなかった僕に、君たちで勝てるかな?」
「ふん・・・調子に乗るのもそこまでよ。」
「レンピカ」



蒼星石の人口精霊が激しく光る。
水銀燈と、薔薇水晶は、目が眩んでしまう。
その隙に、蒼星石は、薔薇水晶を鋏でなぎ払う。


「きゃぁっ!!!」
「っ・・!?薔薇水晶!?」


そして、水銀燈のほうへ向かう。
鋏を向け、突進する。


「っ・・・」


だが、見えるようになった水銀燈が、かわす。


「やってくれるじゃない・・・。」


翼を大きく広げ、羽を飛ばす。
薔薇水晶も、水晶の塊を飛ばす。


「ふふ・・・あなたは近づかなきゃ攻撃ができないのよ、お馬鹿さぁん」
「近づけばいいだけの話だろう?」


そういって蒼星石は、横に大きく走り出す。
水銀燈、薔薇水晶、は近づかれないように、攻撃する。
だが・・・


「速い・・・」


薔薇水晶の真横につく・・・。
水晶が飛び出し、防御する。
水銀燈は、羽を飛ばす。


「こんな物」


そうつぶやくと、横に鋏を振る。
水晶は真っ二つに切り裂かれる。
切り裂いた水晶が盾となって、羽を防御する。


「なにっ・・・」


蒼星石が薔薇水晶をなぎ払う
薔薇水晶には、もう力は残っていない状態だった。


「くっ・・・」
「ふん・・・こんなものか・・・・」


水銀燈に鋏を向ける。
水銀燈は、翼を龍に変化させる。
だが、下から水晶が飛び出してくる。


「逃げて!!!」
「薔薇水晶!?」


薔薇水晶の、最後の力で、水銀燈は逃げることができた・・・
だが・・・薔薇水晶は・・・。



「薔薇水晶・・・よくも・・・」
「くっ・・・」
「まぁいいさ・・・君を殺しても本物のローザミスティカは手に入らない。」


そして、蒼星石の視界がグニャリと歪んだ。
蒼星石は惑わされないよう、目を閉じ、集中する。


「・・・雪華綺晶・・・」


蒼星石が、もう一度目を開いたとき、薔薇水晶はいなかった。


「なかなか・・・でも、まだまだだ・・・。」


蒼星石は宙に舞う。
次は・・彼女にしよう・・・。
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