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□夢の終わりと銀世界
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時は巡り、人を変えてゆく


変えるのは、人だけではない・・・。



そしてまた、運命は巡り、再び、舞台の幕は開く




「あなたは・・・」
「久しぶりですね・・・お姉さま」
「雪・・・薔薇水晶・・・?」


何をしに来た・・・
いや、それ以前に、なぜ、ここに居る。


「聞きたいことが、あります・・・真紅は何処?」
「ローゼンメイデンは私一人よ」
「残念・・・」


薔薇水晶が水晶の剣を構える。
水銀燈も、戦う体制になる。


「真紅にも勝てない貴方が・・・"今"の私に勝てるとでも・・・?」
「・・・バカな夢から目覚めさせてあげるわ・・・薔薇水晶!!」


水銀燈も、剣で切りかかる。
カキン、と何度も金属音が、夜の静寂を引き裂く。


「貴方が全部のローザミスティカを持っているのに・・・弱い・・・。」
「悪いわね、全部は持ってないわ」
「何故・・・」


飛んでくる羽を避けながら水晶で攻撃する。
水銀燈に、ほとんどが命中してしまった。
剣で突っ込んでくる薔薇水晶を紙一重でかわし
剣を振るう。


「っ・・・」


薔薇水晶の左腕が吹っ飛ぶ。
だが、水銀燈は、もうボロボロだ・・・


水晶がまた、命中する。
そこへ、叫び声が木霊する。


「水銀燈ッ!!!」
「ジュ・・・ン・・・?」
「契約!!しろ!!」


水銀燈が、最後の力を振り絞ってジュンと契約を交わす。


「薔薇水晶・・・終わりよ・・・」
「くっ・・・」


漆黒の塊が、薔薇水晶を飲み込む。
薔薇水晶は、粉々になり、風と共に消え去った。



「ッ・・・・」
「おっと・・・」


落下する水銀燈を受け止める。
ジュンは、ローゼンには劣るが、かなり、成長したのだ。



水銀燈が目覚めたのは、数時間後のことだった。


「治ってる・・・」


メイメイも使ってないのに・・・
やはり、この子は・・・


子なんて言っちゃダメか・・・
もう、立派な大人だ・・・


「水銀燈・・・聞かせてくれないか・・・あの日のことを・・・」
「・・・いいわ、助けてくれたし・・・」


水銀燈は、上を向き、話し始める。


「貴方には、聞く義務があるわ・・・」


満月が、街を照らしていた。
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