Gift
□銀色バレンタイン
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「のりさん」
「なに？蒼星石ちゃん。」
蒼星石は内緒でのりの元へ訪れていた･･･。
そう、もうすぐバレンタインなのだ
作る相手はもちろん、水銀燈。
翠星石と薔薇水晶のために義理チョコも作らなくては･･･。
「チョコの作り方？いいわ、教えてあげる♪」
こうして、チョコ作りが始まった。
蒼星石は水銀燈のために"愛"を込めて･･･
「のりさんは誰かに渡さないんですか？」
「えっ･･･今はまだいないのよ^^；」
「そうですか･･･」
「あ、でも、ジュン君やみんなにはあげるわよ？」
「へぇー。」
楽しい会話も交えながら蒼星石はチョコを作った。
蒼星石は物覚えがよく、料理も得意なので、おいしいチョコができたようだ。
「これなら大丈夫ね♪」
「ありがとうございますっ!!」
―――そして、バレンタインデー当日―――
翠星石が蒼星石に話しかけてくる。
「そ、蒼星石？何か、ないですか？」
「ん？あぁ、はいこれあげる。」
「(やったです〜♪･･･ってあれ？)」
中には手紙が入っており、小さく、
―――義理です。勘違いしないでね♪―――
と書かれていた･･･。
翠星石はガクンと倒れこみ･･･
「ぬか喜びさせやがってですぅ･･･」
と小さくつぶやいたのだった･･･
だが、チョコは傷ついた心によく染みたと言う･･･
「水銀燈〜」
「何ぃ？こんな昼間からやろうっての？」
「変態･･･そうじゃなくてね、はい、これあげる。」
「何これ？チョコ？」
水銀燈は、バレンタインデーの事を知らないようだ。
蒼星石は説明する。
「あのね、今日はバレンタインデーって言ってね」
「うん。」
「その･･･す、好きな、おと･･･人にチョコを渡す日なんだ･･･。」
「へぇー」
男の人にと言う所だった･･･
蒼星石は顔を真っ赤にしながら俯く。
水銀燈が、チョコを食べる。
「おいしい･･･。」
「本当？」
「うん、"愛"がこもってる感じがする。」
「本当？」
「しつこいわね」
蒼星石を抱き寄せてキスをする。
甘い味が口の中に広がる。
「甘いや･･･。」
「ふふ･･･」
―――このあと過ごした時間は、どんなチョコよりも甘かった―――