Gift
□翠星バレンタイン
1ページ/1ページ
「のりさん、ちょっといいですか?」
「わかってるわ、バレンタインでしょ?」
「えっ・・・」
「翠星石ちゃんに渡すのね?」
「あっ・・・はい・・・」
ズバリ見抜かれてしまった。
こんな時意外と勘が鋭いのだ。
「チョコの作り方を教えてほしいんです。」
「ふふ・・いいわ♪」
蒼星石は夢中になってチョコを作る。
"愛"をこめて・・・。
「のりさんは、誰かに渡さないんですか?」
「私?ジュン君や皆にあげるわよ?」
あ、翠星石ちゃんはいらないか。
と言うと、蒼星石の顔が朱に染まる。
そして、二人で一生懸命チョコを作った。
蒼星石は物覚えも速く、とても上手に作れたらしい・・・
その結果、とてもおいしいチョコができたようだ。
―――バレンタイン当日―――
「蒼星石ぃ・・何か、渡すものは無いですか?」
「翠星石・・・あ・・・チョ・・・」
「あれ!?蒼星石ぃーー!?」
蒼星石は走り去ってしまった。
「はぁ・・何やってるんだろう・・・」
まずは、水銀燈に渡すことにした・・・
そして、水銀燈のところへ行く。
「水銀燈、はい『(("""義理"""))』チョコ」
「ものすごく義理を強調したわね・・・」
「へへ・・・ごめんね・・・」
そして、薔薇水晶にもチョコを渡し、桜田家に戻る。
翠星石が庭で花に水をやっていた。
「翠星石・・・あの・・・」
「なんですか?蒼星石」
「さっきは、その・・・恥ずかしくて渡せなかったけど・・・はい・・・これ・・・」
「!!!!」
翠星石は驚いていた・・・
義理チョコすら貰えないと思っていたからだ。
「蒼星石・・・おいしいです・・」
「本当?よかった・・・」
「蒼星石」
愛しい者の名を呼び、抱きしめる。
「わっ・・・」
「翠星石は、蒼星石と、このチョコより甘い時を過ごしたいです・・・今も・・・これからも・・・」
「翠星石・・・・・・僕もだよ・・・。」
―――そして、二人は、とろけるほどに甘い毎日を送るのでした―――