Gift

□性悪人形は見た!!
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「うにゅー!!」
「うるせぇですよ!!チビ苺」
「あはは〜賑やかだなぁ・・・」
「そう言う問題かしら・・・」


その日、蒼星石は桜田家に遊びに来ていた・・・
だが、誰かの視線を感じ、鏡の部屋へ


「泥棒かなぁ?でもこんな昼間から・・・。」


鏡の部屋の扉の前に、黒い羽が幾つも落ちていた・・・
―――水銀燈
蒼星石は、一応羽を全部片付ける・・・。
ばれないように、と・・・


「水銀燈?いるんでしょ?」


呼んでも返事はない・・・


「もう帰っちゃったのかな?」


そう呟きながら、部屋を出ようとすると
いきなり、後ろから抱きつかれた・・・


「水銀燈、いるなら言ってよぉ・・・」
「ふふ〜、驚かせたかったのよぉ?」
「・・・離してくれないかなぁ・・・ここジュン君の家だし・・・」
「いいじゃなぁい」


水銀燈は一向に離そうとしない・・・
翠星石にでも見つかったらどうなるのだろうか・・・



「蒼星石?いないです・・・鏡の部屋ですかね・・・」


翠星石は、何も知らぬまま鏡の部屋へと向かう。
すると、部屋の中から声がするではないか・・・
翠星石は、扉の隙間から、中をそぉっと覗く・・・。


「うわっ・・・水銀燈、やめてよ・・・」
「ふふ・・・声、抑えないと誰か来るわよ?」
「んっ・・・」


水銀燈と、蒼星石がキスをしている・・・。


「っ・・・」


泣きそうになった・・・
愛する妹と水銀燈が・・・


蒼星石の顔は、嬉しそうだった・・・
最近、蒼星石とは滅多に会う機会が少なかった・・・
翠星石は、部屋に入ろうとしたが、その後の事を考えると、入れなかった・・・。


『翠星石!!?見てたの!?酷いや・・・翠星石なんて・・・大嫌いだ!!』
『あらぁ・・・悪趣味な奴ね、蒼星石、こんな奴放って置いて行きましょう』


「っ・・・・」


翠星石は、入ることを諦め、覗くことにした・・・
だが、もし、水銀燈が蒼星石に何かしたら・・・
その時は入ろう・・・そう決心した翠星石であった。


「水銀燈、僕、もう行かなきゃ、皆に不審に思われる」
「ダメ・・・離さない」
「水銀燈・・・」


蒼星石は、言えなかった・・・
最近、滅多に翠星石と会っていないから、今日は翠星石と色々話したかったのだ・・・と・・・。


「水銀燈、また、今度にしてくれないかな・・・僕は用事があるんだ」
「・・・仕方ないわねぇ・・・そこまで言うんだったら・・・」


そう言って、水銀燈は、蒼星石を離した。
名残惜しそうに、蒼星石を見つめながら、出て行った。



「翠星石、あれ、雛苺、寝ちゃったのか・・・」

翠星石は、どうやら屋根の上のようだ・・・
なんでまた、そんなところに・・・



「蒼星石、どこへ行ってたです・・・」
「え・・・あ、ちょっとね・・・」


蒼星石は、慌てていた・・・勘違い、されてると・・・


「翠星石は見てたです!!蒼星石が水銀燈と・・・っ・・・!!」
「僕は、用事があるんだ」
「用事って・・・用事ってなんなんです!!」


蒼星石は、翠星石を抱きしめ、キスをする・・・


「っ・・・!?」
「僕は、今日、水銀燈に会いに来たんじゃない・・・君に・・・翠星石に会いに来たんだ!!」
「蒼星・・・石」


二人は抱き合う・・・
お互いの愛を確かめるように・・・


「翠星石、僕は、君を愛してる・・・」
「水銀燈は?」
「君の次に、好きだ」
「翠星石は、蒼星石の事しか想ってないです」


蒼星石は苦笑する・・・
自分は、何を言っているのだろう・・・と
だが、気持ちを伝えて、よかったと思った・・・・
すると、翠星石が、首筋を舐めてきた。


「っ・・・!?」
「翠星石の事しか、考えられなくしてやるです。」
「ちょ・・待って、雛苺もいるし・・・」
「ふふ・・・嘘ですよ♪」
「もうっ・・・」


蒼星石の顔は、朱に染まっていた・・・
翠星石の顔もまた、朱に染まっていた・・・



「ジュン、貴方も気が利く様になったじゃないの」
「ふん・・・何の事だか・・・」



蒼星石と翠星石は、月を眺めていた・・・
蒼星石が、翠星石に寄り添う。


「甘えんぼですね・・・」
「無性に、こうしたくなった」


二人は、寄り添いあい、いつしか、眠っていた・・・




―――二人を照らす月の下レンピカとスィドリームが
     いつまでも、いつまでも、二人を照らし続けました―――




こんなので良かったのでしょうか^^;
題名のわりにシリアスで・・・
エロ度は低めです。


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