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□ローゼンメイデン・量産計画
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その日、桜田家の鏡は異様な光を放っていた・・・


「運命が巡る・・・」


光は消え・・・元の物置に戻ったのだった・・・



「ん・・・蒼星石?」


声の主は翠星石・・・ローゼンメイデン第三ドール


「蒼星石?」
「あ、翠星石・・・。」
「何・・・してるです?」
「邪魔な木を切っているんだ。」


「な・・・に・・・?」
「ジュン君の心の木を切れば真紅、雛苺、そして君の力の共有はできなくなる。」
「なにいってるです?蒼星石。」
「フフ・・・そんな事しなくても勝てるけどね。」

ジャキン!!
蒼星石は翠星石に鋏を向ける・・・。


「君のローザミスティカを奪い、僕は完璧な庭師になる・・・」
「蒼・・・星石?」




「何をしているの!?翠星石!?」


そこには、蒼星石に如雨露を向けている翠星石がいた。
蒼星石は、何が何だかわからぬまま立ち尽くすだけ・・・。


「翠星石?」
「皆・・・だまされるなです!!蒼星石はローザミスティカを・・・奪う気です!!」
「な・・・何を言ってるんだ翠星石!?」
「とぼけても無駄ですよ?」


翠星石は、さっきあった事を皆に話した。


「こんな事、やめるです・・・蒼星石」
「・・・それ以前に、僕はジュン君の夢の中に入った覚えはない!!」
「そうなのだわ、ジュンの夢のなかに入ったら何らかの影響があるのだわ・・・それに」
「?」
「媒介を共有しているのだから、私にもわかるはずなのだわ」

「きっと、夢でも見ていたのだわ・・・」


でも・・・と納得のいかない翠星石・・・


「わかったよ・・・・」
「え?」
「僕たちの絆はそんな物だったんだね・・・翠星石・・・」
「そんな・・・違・・・」


蒼星石は窓から飛び出していった・・・。


真紅は、ある物を見つけた・・・
それはどこかで・・・見たことがある・・・
昔・・・けど、それほど昔ではない・・・


「白い・・・薔薇・・・?」


何かを思い出したように顔を上げる。


「ホーリエ!!!」


真紅の人工精霊は、鏡の部屋から、nのフィールドへ行く・・・。


「とんだ失態ね・・・花びらを残していくなんて・・・・」

「それとも・・・わざとかしら・・・?」


「・・・雪華綺晶。」



翌日・・・


「蒼星石・・・」
「翠星石、皆をここに呼んで」
「え?」
「大事な話があるの・・・」


そして、十分後・・・
ローゼンメイデンのドールたちが集まった・・・

蒼星石、雪華綺晶を除いて・・・


「貴方が来てくれるとは思わなかったわ・・・水銀燈。」
「ふん・・・奴を許せないだけよ・・・」


そして、昨日真紅が見つけたこと・・・

ローゼンメイデン第七ドール、雪華綺晶は、幻覚を見せることもできる・・・
そして、昨日、床に落ちていた、白い薔薇・・・。


―――だから、昨日、翠星石の見たものは、幻覚だ


と、言い、水銀燈のいる方の窓と反対のほうの窓を見る。


「わかったでしょう?蒼星石」
「あぁ・・・雪華綺晶か・・・手強いね・・・
「蒼星石・・・?」
「なんでも・・・無い・・・よ・・・」
「貴方・・・まさか・・・」


蒼星石は飛び立った・・・
水銀燈はそれを悲しげな表情で見つめる。


「蒼星石・・・幻覚を・・・」


そして、水銀燈の帰った、桜田家では作戦会議が行われていた。


「とにかく!!白い奴を探しに行くかしらー!!」
「なのー」
「ダメよ・・・迂闊に出たら危険だわ・・・」
「そうですぅ・・・」


しかし、何もしないのも危険だ・・・と・・・。

「どうしましょう」
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