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□再誕
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金糸雀は


雛苺は


どこだ


どこにいる



「はぁ・・・」


月明かりの下で、ため息をつく
どこへ行っても見つからなかった・・・。


一体どこに・・・


「っ――」


今までの疲労が一気に押し寄せたのか
螺子が切れるのか




「っ・・・?」


目覚めた時、そこは知らない場所だった
nのフィールドから来たようだが。


「扉があるはずだ・・・」


辺りを見回すが、扉は無い。


地面から巨大な蛇が飛び出してきた


「レンピカ!!」


蒼星石は鋏を手にし、蛇を真っ二つに切り裂く
その蛇を眺めながら、もう一度あたりを見回す。


「こんなのが居るんだったら、僕がいても不思議はないな・・・」


蒼星石は歩き出す
ここはどこなのか、それさえもしらない。


「大体・・・どうやってここに・・・」


金糸雀か、雛苺に呼ばれたのか
そう考えておこう、気が楽だ。


何も考えず、ひたすら歩く。
やがて、街が見えてきた。


「お金・・・ないよな・・・」


いい、どうせ人形だ。
食べなくても大丈夫だし・・・


寝るところは・・・確保しておかなきゃな。



「ここにも、月はあるんだな・・・」


今日の月は雲に覆われていた。
だが、暖かく、優しく僕を照らしてくれた。



薄暗い月の下で、僕らの物語は、三度、動き出す。
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