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□drunk....
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バルドは悩んでいた。
それはもう頭痛がするほど真剣に。

その悩みの原因は昨晩に遡る。


昨晩、バルドは調理場で一人、酒を飲んでいた。
最初は寝酒のつもりでいたのだが、つい止まらなくなって酒瓶を何本も空けてしまった。

アルコールのせいで火照っている体を冷やそうと中庭を歩いていると、テラスの椅子に座っているフィニが居た。

特に何を考える訳でもなくフラフラと近寄ると気付いたフィニが驚き飛び上がって椅子から落ちてしまった。


「痛ーっビックリさせないでよー。」

「悪ィ悪ィ。」


軽い口調で謝りながら落ちた衝撃で目が潤んでいるフィニを抱えて、バルドが椅子に座りその太ももにフィニを降ろす。

突然そんな事をされたものだからフィニが混乱してそこから逃げようとした。

だがバルドはフィニをきつく抱き締めて身動きを取れなくしてしまう。

フィニなら振り解いて逃げる事も可能だが、下手に動くと大惨事になってしまうと思い大人しく座っていることにした。


「バルドさんお酒クサい。」

「うっせー。つうか、お前は何してんだ?」

「僕は…ちょっと、眠れないからお散歩してただけ。」


一瞬、フィニの顔が暗くなったがすぐいつも通りの明るい顔になった。

何か思い出しちまったんだな、と思い、滅多に見せない儚げな表情を見せられてドキッとバルドの胸の鼓動が一瞬跳ね上がった気がする。


「フィニ。」

「何?」


思わず呼んだ名前に反応してバルドの方にフィニが顔を向ける。

月もない真っ暗な闇の中に、フィニの金髪が映えて綺麗だ。

普段思わないようなキザな言葉もアルコールが入っているせいか次々と浮かんでくる。


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