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□realize....
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「早く退け。その顔、気持ちが悪い。」

「そんな事仰って…酷いですね。」


憎まれ口もこの可愛らしい唇から発せられているのだと思うと、全く腹が立たない。それどころかキスをしたくなる。


「…近いぞ。」

「そうですね、坊っちゃんのピンク色の唇がすごく美味しそうで…」

「馬鹿、気持ち悪い!!」


思わず口をついて出た素直な言葉だったのに気持ち悪いの一言で片付けられてしまった。
もうこれは実際にやるしかない。


「んむーっんんーっ」


まったく、キスをする時位静かにできないのですか、坊っちゃんもまだまだ子どもですね。

私の唇をいくら噛んでも絶対に離れませんよ。


「諦めたらどうです?力で私には勝てませんよ。」

「貴様…っ!!」

「乱暴な言葉遣いは感心しませんね。」


眉間に皺を寄せ、今にも私を銃で撃ちそうな手を押さえつけて何度かキスをする。
何度キスをしても唇を力の限り噛んで、坊っちゃんの口元は私の血で真っ赤に染まってしまっている。


そうしている内に、坊っちゃんが抵抗しなくなった。
チラリと坊っちゃんの表情を見たら、目が潤んでいた。

しまった、ちょっと苛めすぎたかもしれない。と思い慌てて唇を離すがもう手遅れ。


「なんで、こんな事するんだ…」

「嗚呼…坊っちゃん、泣かないで下さい。」

「泣いてないっ」


強がっているがその潤んだ瞳からは大粒の涙が零れてきた。
後から後から溢れてくる涙を舐めたり吸ったり、口元の血を拭ったりする。
少しして、坊っちゃんが泣き止み涙も止まった。


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