企画夢
□恋する乙女
1ページ/1ページ
私は、隣の席の丸井くんに恋をしている。
柳くんじゃないけど、丸井くんのデータを集めて、いっぱいアプローチしてるのに気付いてくれない・・・。
ニブイにも程があるんじゃない?
アタック1
〜差し入れ
『丸井くん!調理実習でカップケーキ作ったんだ!良かったら食べて』
「おぅ!サンキューな!」
『仁王くんもどうぞ』
「プリッ」
これだけ差をつけたらわかるでしょ…
丸井くんは3つで仁王くんには1つ。
「丸井くん私のも食べてー!」
『おぅ、ありがとな!』
○結果
他の子からも受け取るのに忙しくて気付かない…。
アタック2
〜授業中
他のクラスとの合同授業。
隣の席はジャッカルくんに取られたから、しょうがなく前の席へ。
『あ、消しゴム落ちたよ』
消しゴムを拾って後ろを振り向くと、
「あ、すまねぇな」
斜め後ろのジャッカルが反応。
チッ、ジャッカルのかよっ!
でも、嫌な顔を見せず渡す。
○結果
間違い。だけど、笑顔で渡して、丸井くんにいい子を演出。
アタック3
〜ファッション
丸井くんはピンとかリボン付けたりすると、女の子っぽくていいなって言ってたから、いつもは下ろしてる髪を結び、分け目を変えてピンで止めてみた。
『おはよう丸井くん!』
「おぅ、今日も元気だな!あ、そうだ、お前宿題やったか?」
『あ、うんやったよ〜はい、ノート』
「サンキュー!」
髪型に変えたことはスルーして、ノート催促してきた。
○結果
髪型変えてもスルー。
だけど、私のノートを丸井くんが!
ノート返された時、指が触れてドキドキした。
***
『ここまで意識されないなんてどうしたらいいんだよー!!』
放課後の教室。
みんなが帰ってしまった教室で1人叫ぶ。
一目惚れしてからずっと、いっぱい話しかけたりアタックしてきたけど、丸井くんは私なんて眼中にないみたい。
もう、何したらいいかわかんないよ。
「あれ?お前何やってんの?」
机にうなだれていたら丸井くんが教室に入ってきた。
『…鈍感な好きな人にどうやって意識してもらうか悩んでた』
「はぁ?お前好きな奴いんの?」
『うん、いるよ』
「へ〜」
『そんなニヤニヤしても教えないよ』
「チッ…つか、ジャッカルがお前のこと気になるって言ってたぜぃ」
『はぁ?』
「ほら、消しゴム拾ってやってただろぃ。それで」
『ふーん、そっか』
「何だよ?興味ねぇのかよぃ」
『…私、好きな人いるっていったじゃん』
「んな、鈍感な奴止めてさっさと次に行けばいいじゃねぇか」
『…』
本人にここまで言われるって…
なんか悲しい通り過ぎてムカつく!!
『あたしが好きなのはアンタだ!この鈍感!!』
私はそう叫んで、カバンを掴むと教室を走って出て行った。
くそっ!
見てろよ丸井ブン太!!
絶対振り向かしてやるんだから!!
恋する乙女
は強いんだからね!!
2010/02/01