短編(^^)

□理想パラノイア
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街は何やら不穏な空気が流れています。



歌舞伎町で事件があったらしい。


怖いなぁ…巻き込まれないように気をつけなきゃ。













そう思っていたら、今日は橋の上であの人を見掛けた。



今度は眼鏡の男の子が隣にいた。

その子は何故か泣きじゃくっていて、少し曇った顔をしたあの人がそれを宥めていた。





そしてそのまま、肩を並べて何処かへ行ってしまった。
















…もしかしてあの人、男の子にも手を出すのかしら?





信じたくないけど、もしそうだったら…


















――…だけど仕事は頑張らなくちゃ。





今日は帯の修繕をしなきゃなの。








眼(まなこ)を赤くしてでも、

たとえ彼が男色家だったとしても、





鋏を片手に持ちまして、


私は今日も仕事に精を出します。
















****



街は何やら騒ぎ始めました。


どうやら再び事件があったらしい。


早く犯人捕まらないかしら?














今日は大江戸スーパーでお買い物。


そこでまたあの人を見つけた。





今日は、まだ年端もいかないチャイナ服の女の子と一緒。


一緒にお菓子コーナーを見てる。








「銀チャン!私コレがいいアル!」



「ったく…それだけだかんなー」



「キャッホーイ!」









そんな会話が耳に入る。










そんな小さな女の子にお菓子なんか買い与えて、

一体何をしようというの?





貴方って、本当に見境がないのね。


















――…だけど、仕事は頑張らなくちゃ。





今日も仕立ての仕事がたくさんあるの。













…あら?


鋏の色、“こんな”だったかしら?






まぁいいか。


今日も仕事をがんばりましょう。

 
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