戦国無双
□愛・Rejection
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「孫市･･･好きだぜ!!」
何万回目かの告白。
耳にタコができる程聞いた台詞。
俺に猛烈アタックしてくるこいつは前田慶次。
「うっせぇぞ､慶次!!」
その度ぶん殴られるのはわかっているくせに。
それでも諦めようとしないのでたちが悪い。
「何度だって言うぜ!孫市好きだ､俺と付き合え!!」
なんで命令口調なんだ？
「何度だって言うね､断る！」
べぇ〜っと舌を出しその場から走り出そうとした。
「おっと」
すると不意に腕を掴まれた。
「な､何するんだよ！」
急な事に驚いて声が裏返った。
「今日は･･･逃がさないぜ」
「な･･･っ！」
力では圧倒的に劣る孫市に逃げることなどできるはずもなく。
腕を掴まれたまま､ぐいぐいと引っ張られた。
「痛っ､腕はなせよ！」
「放したらお前逃げるだろう？」
当たり前だ。
「お前となんか一分一秒一緒に居たくないね!!」
「･･･そうか」
明らかにいつもと様子が違う慶次に動揺する孫市。
「おい･･･」
「何だ」
「何処行くんだよ？」
「良い所」
慶次はにこっと笑い､それ以来口を聞かなくなった。
いつもは安心する慶次の笑顔も､今は不安要素でしかなかった。
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