戦国無双
□飛ベナイ烏
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辺りを包むは闇。
心を砕くは己の弱さ。
すくむ足。
今は邪魔にしかならない相棒。
全てに嫌気がさした。
逃げる事も戦う事も、生きる事も。
飛ベナイ烏
「はぁはぁはぁ」
走って走って辿り着いた砦。
「暫くここで身を潜めるか」
郷の仇を討つ為に忍び込んだ本能寺。
信長の暗殺は成功し、逃げている途中だ。
何故か、信長の死を皆が既に知っている。
その所為でこんなにも逃亡が困難になってしまっている。
「くそっ…どうするか…」
辺りの様子がわからないのは敵も同じこと。
この砦に潜んで、敵がいなくなるのを待つのが無難か。
そう考え、孫市は物陰に身を隠し、気配を殺した。
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