ゴスアリストーリー

□ゴスアリ第二章
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アリスが女王の思惑を解こうとしている頃…

不思議帽子屋は人ゴミに酔い椅子に座って酔いを冷ましていた。
***


…全く、見回してみればどう見ても財産目当ての二流貴族の奴ばかり。女王様は何をお考えなのか

持ってきた水筒を開け、中に入った珈琲をコップに注いで一口飲んでうつむいた。



アナウンスが流れているのには全く聞く耳をたてずに、ぼうっと昔のことを思いだす。

帽子屋の見習いだった頃の自分


帽子作りを一から教えてくれた師匠は、ある日をさかいに、いつもいたはずの場所から忽然と姿を消した。

いなくなる前日に奇妙な小話を僕にして

『ねぇ、僕のアリス』
そう僕にアリスというあだ名をつけて彼は僕に…

楽しかった思い出とは逆に蘇る悪夢

「…っ」

思い出すんじゃありませんでした。


けど、たまに会いたいと思うのです。憎いのに
師匠にもう一度会いたいと思うのです。


やはり僕はまだ心のどこかで彼のことを尊敬しているのですかね。


ふふっと笑ってしまうと急に近くから声がした。

この本選に参加するのはやめた方がいいよと

懐かしい彼の声が

僕は声のもとを探すが、辺りを見渡す限り彼の姿はない。


この国にいるのか


しかし、そうだとしたら

本選に参加しない手はないですね。

さっきの声は結構近くからだった。

どこかに隠れたのかもしれない。



彼をみつけよう

僕は前に出て本選の参加者項目にサインした。

けれど、僕は自分の背後に項目にサインする黒い影が小さく呟いたことに全く気が付かなかった


『あーあ、忠告したのに…反抗期はまーだ終わってないのかなー』


そう言いながら、影が楽しそうにクスクスと笑っていたことにも


全く
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