長編

□☆01話出会いは偶然に
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SIdeロー






正直そんなモンは信じちゃいねェ

そんなモン、居る筈がねェ

そう思って来た

だがアイツは…

アイツだけは…

俺にとっての女神だった


白ひげ屋と海軍の衝突後、女ヶ島で麦わら屋への治療を続けていた俺達は、やるべき事を全て終え、島を出航した

それから然程時間も経たねェ内に、見張りから声が上がった

「船長!水面に小型船が漂流しています!人が乗っています!海底からでは生死の確認は出来ません!」

ロ「……浮上しろ。」

正直、捨て置いても良かったんだ

それをしなかったのは…ただの俺の気紛れだ

潜水艇を浮上させ、自ら甲板に上がった

飛び降りられる距離にあった船に飛び降りれば、ぐったりと前屈みに船縁に倒れている女が居た

髪も長く服装や体のラインから見ても女だろう

女の首に手を翳す

脈はある

ロ「…悪運の強い女だな。」

そう呟きながらも、この女は何処から来たのかと考える

近隣の島からはかなり離れている

あの戦争に巻き込まれた…という訳では無さそうだが、女が乗っているのは救命用のボートだ

しかもオールすらねェ

着替えも食料も、荷物といった類の物すら持ってなさそうだ

こんな得体の知れねェ女を、果たして船に乗せて治療する冪なのか…

俺には船長としての責任がある

悩みながら女の頬に張り付いた髪を退かし、顔を覗き込んでみた

ロ「……っ!?ROOM…シャンブルズ!」

女の顔を確認したと同時に、俺は女を船に乗せていた


 
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