長編

□☆第2話新しい家族
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不「…どうしたんだよい。」

さっきまで笑っていたアリスの表情が硬直した

横で見ているだけで分かる程、震えているアリス

問い掛けても返事は無く、ただ島を見詰めて震えるだけ

突然振り向いて走り出したと思えば、白ひげに抱き付いてしまった

白「さっきまでの元気はどうしたんだ?」

白ひげに聞かれても、答える事は無い

ただ只管怯えた様に震えるアリス

港に停泊した船の周りに、住人達が集まって来た

どうにも白ひげから離れ様としないアリスに、仕方無くマルコが1人で下船した

村長「あの…もしかしてアリスが…。」

不「乗ってるよい。」

村長「やはり…本当にご迷惑を…アリス!降りて来なさい!」

村長の声に更に震えるアリス

白ひげは離れないアリスを、腕の上に座らせる様にして抱き上げた

白「おめェら、まさかとは思うが、こんな小せェ子供を苛めてたりしたんじゃねェだろうなァ?」

村長「そっ…そんな事は決してありません!」

不「確か誰にも懐かないって言ってただろい。俺達にゃァ懐いてんだよい。ちょっと可笑しいんじゃねェのかい?」

村長「そんな筈はっ…。」

ビ「…もしや、この島に居る事自体が怖いのでは?親の殺された島だろう?」

不「そうなのかい?アリス。」

問い掛けてもやはり返事は無い

それ所か、白ひげに張り付いて村の方を見ようともしないアリス

白「俺達はアリスを返しに来ただけだったんだが…。」

白ひげがそう言うと、白ひげの服をギュッと握り締め、遂に泣き出すアリス

それを見た白ひげは、小さく溜息を吐いた

 
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