REBORN

□Cohabitation life
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「…明日?」
電話越しでも、表情がわかる程楽しそうに話す久しぶりのディーノの声に、僕は安堵の息を吐いた。
━どうした?具合でもわるいのか?
ため息が聞こえたのか、心配そうに声を掛けてくるあなた。
元々携帯は嫌いだけど、離れているこう言うときは安否が分かるから便利だな、とか思いながら何でもない。と言う。

心配だ、とか寂しい、とか言ったら、あなたが僕を溺愛してるのがなんとなくでも分かっている分、貴方が仕事に集中出来なくなって迷惑が掛かるかもしれないから、離れている時の不安や不満は言わないと自分で決めている。
「うん。…じゃ、明日」
あぁ。という声を聞いて、終了のボタンを押した。
顔が綻びそうになるのを抑えながら、窓から入ってきたヒバードの頭を撫でる。
「ヒバリ、ゴキゲン?」
「…そうだね」
首を傾ける様子が彼を連想させて、我慢していた笑みが漏れた。
その時、控えめにドアを叩く音がして、はっと我にかえる。
「誰?」
「哲にございます」
聞きなれた草壁の声に、入ってと言うと、ドアが開かれ、長身が姿を現す。

「どうしたの」
聞き分けられない程の疑問音で話しかけると、草壁が時間を知らせた。
ディーノとの電話で忘れかけていたが、今日の昼休みに持ち物検査をするという事になっていたのを思い出して、日当たりの良かったソファーから腰をあげると、ヒバードが肩に止まった。
「君も来るの?」
そう言うと、僕の頬に頭を擦り寄せる。
そう、とだけ言って僕は草壁が開けてくれたドアをくぐった。




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