ノベル2

□異次元恋愛
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※二次元世界のキャラクターである赤也を愛してしまった柳のお話です。柳が変態くさいので大丈夫な方だけどうぞ**













誰にも言えない毎夜の秘め事。

決して叶うことはない想い。

遠距離恋愛など目ではない。

この世のどんな恋愛よりも報われない。

だけど何にも代えられない愛しい存在。

人はこれを妄想だと呼ぶのだろうか。

いいや、そんなこと誰であろうと許しやしない。

だからこれは、俺とお前だけの秘め事。



異次元恋愛



かちゃかちゃと食器に箸がぶつかる音とテレビの音が響く食卓。ぽつりぽつりと交わされる母親と長女の会話。長男である柳は余りそれに参加することはない。

「ご馳走様」

食器を全て空にした柳はすっと箸を置いて自室へと戻る。いつもの光景に特に誰も咎めることはない。
柳は部屋の電気をつけずに薄闇の中でテレビの電源を入れ、DVDレコーダーの再生ボタンを押す。

流れ出すのはアニメの映像。暗い部屋にちかちかとカラフルな光が点滅する。

「赤也…今日も可愛いよ。」

テレビ画面に映し出されるのは、ゆるやかな癖毛で猫のような目をした赤也という男の子。

柳は彼に恋をしていた。

いや、既に愛してしまっているのかもしれない。

触れたい、そう思うがテレビ画面に手を触れたところで触れたことにはならない。二次元世界の存在が柳のいる方向を認識することは不可能だ。二方向にしか広がらない世界に住む赤也に、三次元の世界で生きている柳を見ることはできない。

一方通行。

画面を見つめながらも柳は脳内で赤也に触れる。

艶やかで生意気そうな唇にキスをする。舌を絡め合いキスをする。

白くてきめ細やかな肌は弾力があって、滑らかな触り心地。

その首筋をツーと人差し指で撫で降ろして、鎖骨へとたどり着く。そこで服のボタンが邪魔をするから、ひとつひとつ外して白い肌を露にさせる。

刺激を期待してか、乳首はもう女のようにぴんと立っている。

再び鎖骨にとんと指を置き、ツーと滑り降ろしてその突起へ辿り着くと体を小さく跳ねさせて、甘ったるい吐息を漏らす。

その体はまるで第二次成長期を迎える前の少女の様に儚げで、なのにしなやかで美しい。

我慢できずに股間を膨らませているが、それには触れずに胸の突起を唇に含んで弄び、空いた方の手でもう片方の突起を引っ掻くように愛撫する。

我慢できずに腰をもぞもぞと動かし始める赤也。そっとその股間を手で覆うように触れてやると自ら手のひらにそれをこすりつけてくる。



柳は自分のズボンのベルトを外し、行き場の無い熱を持った自身を取り出してぎゅっと握る。



画面には赤也しか映らない。そのDVDは柳の手によって編集されており、ストーリー等はなくただひたすら赤也が映っているシーンが流れている。



赤也のズボンを下着と一緒に膝まで降ろすとかわいらしい性器がぴんと上を向く。恥ずかしそうにしているが軽く上下にしごいてやると嬉しそうに喘ぐんだ。



柳は立ち上がって画面に向かって自身を激しくこする。先から溢れ出る液でぐちゃぐちゃと卑猥な音を立てる。

赤也が見ている。赤也が俺の自慰を見ている。

「んんっ、あ、赤也っ……赤也!」

画面に向かって己の白濁した欲望を吐きかける。画面に映る赤也の顔が柳の精液で汚れた。

柳は呼吸を整えながら座り込み画面に手をついて精液に塗れた赤也の顔を見つめる。

「はあ、はあ…赤…也」

会いたいよ。お前に。苦しい。虚しい。だけど毎晩こうしてお前を見ながら空っぽになるまで何度も何度も自分を慰めないと狂ってしまいそうなんだよ。

会いたい。話がしたい。触れたい。キスがしたい。セックスがしたい。

視線を交わして名前を呼んで欲しい。

余りにも遠い世界に住んでいるお前と出会うことができたなら、どんな手段を使ってでも俺のものにするというのに。

だけど、お前を愛してしまったことは何とも比べられない絶対的な幸せ。この想いは誰にだって汚すことなど許されやしない。





「赤也、愛してるよ。赤也…。」





柳の精液が出なくなるまで、そうして疲れ果てて眠りにつくまで繰り返す、二人だけの秘め事。










いつも俺を呼ぶ声がする。どこか遠い世界から聞こえるような声。ぐるりと見渡してみても誰も俺のことを呼んではいない。

低く澄んだ美しい声。

ねえ、貴方は誰?

どこにいるの?







"会いたい"








end…







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あとがき

変な話を書いてしまいました!
でもこういう変な話は書いてて凄く楽しいです★


20091005晴雨


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