ノベル2
□或る朝の悪魔
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ああ、今俺は懐かしい夢を見ている。
あれはきらきらと眩しい夏の、中学テニス部全国大会決勝戦…。
或る朝の悪魔
夢を夢だと知覚してなお、だらだらとその夢を見続けている。今日は確か大学もバイトも何もない完全な休日だ。
そんな風に休日の朝のささやかな幸せを感じていると、ふと顔に熱い何かがぽたぽたと落ちてきた。
それと同時にぼんやりと見ていた懐かしい夢は瞼の裏から姿を消してしまった。
ああ、もう少し見ていたかったのに。中学のころの可愛い赤也を。
少し残念に思いながら薄く目を開いてみると、そこには体を真赤に上気させ、素っ裸で恍惚とした表情をしている赤也の痴態があった。
…悪魔化している。
「何事だ…」
「柳さんがっ…はあっ…いけないんっすよぉ〜」
艶めいた声でそう言いながら俺の顔に掛けた精液を自ら舐め始めた。
くすぐったさに顔をしかめていると、赤也は俺の下着に手を差し入れて既に勃ち始めているものをさすりはじめた。
「…はっ」
いつもなら赤也から触ってくることはまずない。ぎこちなく動く熱い手に不覚にも声を漏らしてしまう。
「柳さぁん、俺もう我慢できないっすよぉ」
赤也は俺の上に跨がって尻を突き出して四つん這いになって腰を動かしている。
ぷつりと何かが切れる音が聞こえた。理性の糸というやつだろうなと頭の隅で考えながら起き上がり、赤也の頭を強く引き寄せ口付ける。呼吸もできないであろうほど深く舌を差し込んで口内を犯してやると息苦しそうに喘いだ。
お前が悪魔ならこの俺は一体何者なのだろうか。
「はあっ、」
顔を離すとツーとどちらのものともつかない唾液が糸を引きぷつりと途切れる。
「ほら、後ろを向け。」
赤也の肩をぐいと押すと促されるままに俺に尻を向ける。その弾力のある双丘を手でわしづかみにして穴がよく見えるようにしてやる。
「ああん、もう早く柳さんのいれてくださいよぉ」
首だけをこちらに向けて赤也は誘う。思わずごくりと喉が鳴る。
痛いくらいに勃ってしまっているものを取り出してそのいやらしい穴に望み通りいきなり突っ込んでやる。
「あああ!」
パシッ−
「はぁん!」
はしたなく嬌声をあげる赤也の尻を平手で打つと更に声を上げて悦んだ。
「どうしようもない淫乱だな…お前は…」
「ああ!柳さぁん!」
「はぁっ、赤也…っ」
絶頂へと向かうため激しく腰を打ちつける。ベッドの軋む音と体がぶつかる音が部屋に響く。
「柳さん!柳さぁん!」
背中を反らして先に達したのは赤也だった。後ろの刺激だけで達するように躾けてやった俺だけの体。
真赤な肌がいやらしい。愛しい。愛しくてたまらない。
達する直前に抜いて背中に欲を吐きかける。
赤い肌に白い精液が飛び散って、綺麗だ。
「はぁ…っ」
赤也はそのままぐったりと俯せて眠り込んでしまった。その隣にごろりと寝転がって頭を撫でてそっと頬にキスを落とす。
肌の色が徐々に透き通るような白に戻っていく。すやすやと眠る顔はまるで天使だ。
俺が寝言であのセリフを言ってしまったのだろうか、はたまた赤也も全国決勝戦の夢を見ていたのか。
赤也の目が覚めたら聞いてみようと思うがはたしてこのことを覚えているのか些か不安だ。
もう今日はこのまま日が暮れてしまうまでこのベッドの上で赤也といたい。
明日の天気予報は確か晴れ。
シーツを洗濯してもよく乾くだろう。
end…
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あとがき
悪魔赤也は凄くえろい^^
20090708晴雨
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