宝物

□最高のプレゼント
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「いいなぁ〜」

私は本を片手に呟いた。

「なにが?」

すぐ近くにいた三月ウサギが聞いてきた。
私は本を閉じ、三月ウサギの方を見た。

「あのね、さっき小説読んでたんだ。その小説に主人公の誕生日に雪が降るっていうロマンチックなシーンがあったんだ♪」


私がさっきまで読んでたのは純愛物の小説。
最初は活字ばっかの上挿絵もないので、多分すぐに飽きるだろうと思ったが、読んでみたらはまってしまい、一週間かけて今読み終えたのだ。

因みに小説は蜘蛛の子さんから借りたのだ。(何故か純愛物をいっぱいもっているのだ。)


「だから私の誕生日の時も雪が降ったらロマンチックだなぁ〜って♪」
「あー!わかるわかる!!なんか些細な事でも特別な事が起きると嬉しいよねぇ♪」


少し乙女チック過ぎたかなと思ったが、三月ウサギは私の話に共感してくれた。 
「あれ?アリスの誕生日っていつ?」
「そういえば聞いたことないよなぁ」

二人でキャッキャッ騒いでいたら、時計ウサギと帽子屋が会話の中に入ってきた。


私の誕生日は確か…。



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