この世で一番殴りたい人。
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「サクラーッ」

「よるなくそおやじぃっ!!」

バキ、



この世で一番殴りたい人。



「サクラちゃん酷いっ!!」

「だまれ童顔」

「若いって言ってくれない!?ちょっと気にしてるんだからね!!」

「だからだまれって」

「いーやっだまらないっ!!」

「……はぁ…」

「……………悲しいよ父さん…」

「あぁそう。じゃあ行ってくる。飯食えよ、動物」

「人間より格下げぇっ!?」

「行ってきます」

「いってらっしゃい!!頑張ってねー」



#



うちの親父はかっこいい、らしい。

あんな車にひかれた犬みたいな性格のくせに、女受けは金持ちの家のキャバリア並みにいい。

おかしい。

現に私の友人なんか

「はぁ、あたしあんたのお父様に恋しちゃったわ」

なんて言い出す始末。

「………あー……そう」

ただのサラリーマンでただの童顔ただの動物。

それがなんで女子中生に惚れられているのか、まったく理解不能だ。

「おはよー、サクラっ」

「はよ」

「朝からテンション低いわねっ」

あんたが高いんだよ「そうか?」受け流してすたすたあるく。

「もうっ」口を尖らす友人A「のり悪いわよ?」言われ無くとも朝はテンション低いんだからほっとけ。

朝から疲れた「ねぇ、今日参観日だよねぇ」友人Aよ、今なんといった「だから参観日よ」

「聞いてない。中学にもなってそんなもんあるのかよ」

「あるわよーだってあたしたちまだ義務教育ッコだもんね」

「あーー………絶対あいつ知ってたな…」

「お父様!?来るの!?」むなぐらをつかむな友人A「来るよ、なんだかんだいってこういうイベント大好きだからあいつ」ぽいっと私を捨てるな。

「あぁっ、早く会いたいですわっ」恋する乙女の表情だな「あってもいちおう人の夫だから」

「言わないでっ」

しかとすることにした。


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