カ ン ケ イ 。
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絶対に泊まらない。

それが彼と私との暗黙のルール。

カ ン ケ イ 。



「…帰る」

「………」

背を向けて寝ている松本潤に返事は帰ってこないと知りながら、なんども同じ事を言う。




そこに私の存在を知ってほしかったのかもしれない。




「朝飯、作っていくから、食べるも捨てるかかってに」





冷めてしまって、結局捨てられるのはしってる。






まだ朝の三時だ。





ただ、少しでも、私を認識してもらいたくて。





口を開く。





重い身体を引きずって一人分の暖かさが残る、ふたりいたベットから降りて置いてある衣服を着る。







シャワーは、浴びない。






なるたけ私の存在は残さない。







さっさとひとつ食パンを焼いて四つ目玉焼きをつくる。





食パンは冷めたらかたくなるだけだから、勝手に作ってもらって。







ふたつ、目玉焼きを残す。






「おじゃましました」






寒さの真っ只中にある冬の朝。






少し薄いコートのポケットに手を突っ込む。







「さむ」







いつまで、こんなカンケイは続くのだろうか。






アイドルとの、肉体カンケイ。







カラダだけのカンケイ。







「………ふぅ」
















また、呼び出しメール。







「六時に、こい、か」







いつもにしては、早い時間。








「お邪魔します…………松本?」







少し、怖かった。







「……よぉ」







「あ、うん……どうした?」







「別に」








怒っている。







まあいいか。







「晩飯食った?」







「食ってない」







「…………そう」









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