頬を滑るキス。
1ページ/1ページ

この人の幼なじみ。の友人が私。

隣で少々いちゃつく幼なじみと、そのひと。

胸がつまる。

友人に有名人の幼なじみが居るのはよく聞かされていた。

それがまさか、あの超絶有名人だったとは。

「さとしー…」

「…なに、美央」

「エヘヘ、すきぃ…」

「あ、そう?」

イチャイチャ。

可愛らしい美央。

二人でいちゃつきゃいいのになんで私が二人のそばで胸がつまる思いをせにゃならんのじゃ。

「……あ、トイレー」

「ごゆっくり」

美央がその人にからませていた手を解いて、トイレへいく。

ふたりきり。

きまずいちんもく。

ソファーに座っていたふたりとソファーにもたれて体操座りしてテレビをちかちかかえていた私。

ここ、私の家なんだけどな。

「…ヤマグチさん」

「……あ、はい、なんすか大野さん」

「………なんでも、ないよ」

愛想笑いでごまかす大野さん。

「…そすか……あ、私出てますんで、寝室使ってもらってかまいませんよ」

即席で吐いた嘘。もしかしたらそんなことを言いたかったのかもしれない。

まぁ大野さんがそんなにすき勝手な人じゃないって知ってるんだけど。

「あ、ちょっ」

立ち上がって自転車の鍵を取った。

大野さんがその手を掴む。

「っ………ちょっと…来て」

なにか怒っているようだった。

腕を引かれるまま慣れた足取りで連れてこられたのは私の寝室。

「っあ、て」

ばん、とベッドに放り込まれた。

「なにする、ん、すか」

「……怒ってるのわかる?」

「………はい」

「じゃあその理由はわかる?」

「………っわかりません」

「そう」

上に覆いかぶさってきた大野さん。

怖い。

あのふわふわした可愛らしい大野さんじゃないようで、怖い。

身体も硬直して動けない。

「ひっ……」

「バカみたい」

自嘲気味に口をあげる大野さん。

「オレ、ヤマグチさんのこと、嫌いだった」

「…いきなり……なに、いってるんすか」

「美央の友人なんて、ろくな奴いないだろうって。だいたいが、オレ目当てで美央に近づいてくる奴ばかりだったからね」

「………聞いてます」

「そう…。可愛い妹みたいだったから、傷ついて泣いてるところ、もう見たくないからね」

すす、と髪の毛を梳く繊細なきれいな指が、耳をくすぐった。

「やめ、て………ください」

ば、と手をたたく。

少し悲しそうに、静かに怒りを燃やすように顔が歪んだ。

「……今ここで、犯せるんだよ?」

「…………大野さんには、無理です。私はいつでも泣けます」

「……………オレが涙に弱いと決まったわけじゃないよ」

「いいえ。絶対にあなたには私を犯せません。私がそんなことさせません」

「…ふぅん」



『さとしー?サクラー?』





美央が私たちを探していた。

「…じゃ」

といって抜け出そうとするが、

「なに、逃がさないよ」

「…………また、美央がかなしみますよ」

「…それでもいい。君が手に入るなら」

「……………さいて」

そう言い放った瞬間、


私の頬を、柔らかいものが滑り込んで、

口の端に吸い付いた。

大野さんのかおり。

「………最低でもいい。好きだ」

そうして口の端にまた口付け、下で舐めて、リップノイズ。

「……っ!」

ぱし、と頭を叩いた。

「……っきらいっ!!」

どんっと突き飛ばし寝室から急いで出る。

口の端、左端があつく疼いて。

心臓が切なく疼いた。



━頬を滑るキス。
(私もすき)(ただ、友人を無くしたくないだけ)(だからあなたがきらいです)





あとがき━━━━━━━

意味がわからない。恥ずかしい、ダサく。
なんでこうも文才が無いんでしょうかね?

こんな駄文を最後まで呼んでくださったかた、ありがとうございました!!!!
.三來阿隆
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ