エッセイ集

□貧困に関する諸問題
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「マスコミと所得階層」



管理者は旧人類的な性格なので、律儀に?新聞を定期購読しています。

 毎日新聞を取っているのですが、連載に「おじさん変身させたい」というのがあります。
ファッションいまいちな中年男を化粧品会社や服飾会社の人間がかっこよくしようというものなので、小綺麗にしようと思いつつ

「MEN's Ex」

はきついだろうと思っている管理者は愛読しております。

それはよいとして……今更ながら気付いたのは

家庭面というのは、新聞社がどんな社会階層を念頭において情報を発信しているのか

が露骨に現れるということです。



 新聞記者や編集者がどんな社会階層の人を

普通の人

と思っているのか?

政治面や経済面、社会面には現れません。
 しかし、家庭面は

「普通の人」の日常の参考になる

ことを念頭において取材、編集をするのですから

どんな所得水準の人が普通の人なのか

についての記者や編集者の意識が露骨に顕れるように思うのです。

改めて

おじさん変身させ隊

の記事を読んでみると、対象として想定されている社会的な所得階層は相当高いことに気づかされます。

例えば、11月17日の記事では服飾用品含めて

15万円

かけていたわけですが

ちょっとしたおしゃれに15万円を奮発しても、意識改革の上ではよいか

と思える所得水準の人が対象となっているのです。
 でも

15万円

って簡単には出せませんよ。

殊に、昨今話題になっている派遣労働を苦労してしている人は一月分の給料が吹き飛びかねないわけで。

やはり、大手マスコミ自体、給与水準が高いわけで、それが

普通

になってしまうのでしょう。

毎日新聞は

朝日新聞社員の平均年収
1328万円

よりも低いものの、それでも

861万円

平均年収があったりもします。(プレジデント2008年11月17日90頁)

 以前にも取り上げましたが、昨年度の国税庁の民間給与実態統計調査によると、年収800万円以上の男性は

15パーセント

しかいないそうで、このことからもその給与水準の高さがわかります。

 この辺りが、格差社会を問題としながら、家庭面の内容がそれと矛盾していまう要因なのでは…。

新聞も広告収入が減少し、先細りつつあるのですから、わずかな割合の人にしか訴求力のない記事を書いても仕方ないとも思うのですが。
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