エッセイ集

□経営者の言葉
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経営者の言葉――本田宗一郎



ここ2〜3年「外見」を重視する,殊に,ビジネスの場におけるその合理性を強調する考え方が良く見られるようになってきました。
アパレル業界やコスメ業界等々の陰謀のような気もするのですが,このように言う管理者も遅ればせながら,「陰謀」に自らはまりこんでいる次第。
最近とはいえ,冒頭の言葉を見る限り,昔からあったのだなと思わせる(後,よく引き合いに出されるのは,旧日本海軍では,身だしなみが大切であるということで将校には,服用の「ブラシ」が配布されていたとのエピソード)と同時に,話しているのが本田宗一郎というのが少し発見です。

本田宗一郎は,経営者に対し珍しくカラーシャツを着,他方で,工場を視察する際の服装は作業服だったそうです。
前者の理由は,「若手との距離を縮めるため」,後者の理由は,「工場の社員が緊張しないようにするため」であったとのこと。
これを踏まえて元NHKの美化粧師・岡野宏は,「極端に言えば,ビジネスの場では着るもの,身に付けるものすべてについて理由が言えなくてはならない。」と言うのですが,中々実践は難しいものです(『日経ビジネスAssocie09.5.5号』70頁)。
管理者は,とりあえず,若く見せることで,「歳を食っているのにこの程度しかできない。」を「若いのにこれだけできる。」と思わせる戦略を考えるくらいです。

前記の岡野の記事の中では,ほかに松下幸之助のエピソードもあり,それによると,松下幸之助は,痩せているため貧弱で押しが弱そうに見えることから,肩から胸に下地を入れたふっくら見えるスーツを使っていたとか。
また

ネクタイピン,カフスボタン,女性の場合は指輪やネックレスなどの装飾品で「石もの」は避けて下さい。一目で「高価なもの」とわかる装飾品は無意識に勝ち負けをイメージさせ易いからです。
見るからに高価なものを身につけたり,ブランド名が目立つものなどで自分を良く見せようと思う人や,自分のこだわりを伝えたがる人がいますが,損をしている場合が多いと思います。腕時計も同じです。

との指摘は参考になります。

まあ,高級品自体持っていないので,活用の機会はないような感じもしますが。
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