エッセイ集

□数字いろいろ
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12人に1人



勤務医の中の「うつ状態」の人の割合



今日(09年9月5日)の毎日新聞の報道で、日本医師会が勤務医1万人を対象にアンケート調査をした結果、勤務医の12人に1人がうつ状態にあるとの分析結果であったとされていました。


過密な宿直と医療過誤訴訟に巻き込まれるのではないかというプレッシャーにさいなまれている医師が多いことは、近時、繰り返し報道されているところで、「さもありなん」という感じがします。


労働環境の改善が望まれるところですが、元手がいるところで、それをどうやって捻出するか(某国の首相内定者は、耳障りのよい「バラマキ」政策を語りますが、その保有する都心部の不動産や大手企業の株式を放出して、資金を出す、というわけではありません。所詮、政治家とは、「他人のふんどしで相撲をとる」人なのです。)、また、実際、医療過誤で悲惨な目にあっている人もいるのに、甘い対応をしてよいのかなどを考えると、なかなか良い策が思いつきません。
管理者も、サービス残業、サービス出勤が常態化しており、同情はするのですが、他方で、緩くするといい加減になってしまう人も少なくありません。


先日、ある患者さんがどうも軽症なのに、その治療が長引いている事案について、担当医に話を聞いたところ、「本人が症状を大げさに言っているのではないかと怪しく思ったが、労災保険で治療費は全額国が負担し、本人負担分もないし、この種の事案では長いと思ったが治療を継続した。」とのこと……。
そりゃ、本人の負担はないかもしれないけれども、ほかの加入者や国(=税金=一般市民)の負担で出すわけなのだから、そこまで考えた上で、きちんとした対応してくれなければ困りますよ……。


しかし、「うつ状態」ではなくて、「うつ病」の医師が、どれくらいいるのか、ということ。
精神病を特別な目で見てはいけないけれども、「うつ病」にり患している医師が、診療、手術をすることの適否は、又違うような気もします。

以前、「てんかん」について調べているときに、医師から、「てんかんは、今は薬で抑えられる。実際に、てんかんにかかっているけれども、薬を飲みながら仕事をしている医師や看護師はたくさんいる。」ということをうかがったことがありました。
「てんかん」は神経症で少し違いますが、うつ病も、薬で抑えてきちんと仕事ができるようなものなのでしょうか。


労働問題、福祉と財源論、医療過誤、差別等々いろいろな問題がいもづる式に出てきますが、政治に期待できないのであれば(期待する人などはいるのでしょうか)、私たちには何ができるのでしょうか。
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