エッセイ集

□数字いろいろ
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1万9550人



08年4月現在における待機児童の数



保育所への入園を希望しているものの、その希望の叶わない待機児童の問題は以前から取り上げられています。
しかし、中々解決へは向かわないようです。

他方で、小子化が進む中で一人当たりの子供にかけられる財は多くなっていると言われます。
最近の私立学校への進学率の増加からも頷けることでしょう。
ですから、ビジネスモデルとしても、この種の施設が増えてもよいのでは、とも思うのですが、どうもそうではありません。

その理由を自分なりにつらつらと考えてみると、このようなことではないか、と思われました。

・リスクが高い
・消費者に高額の所得が期待できない
・ハード面の問題
・将来的な負債の増大

まず、リスクが高いというのは、小児科の医師が減少しているのと同じ理屈で、幼児は少し目を離すと思いもよらないことをしますし、何かの拍子に大怪我をしたりしかねません。その管理は容易ではなく、何か事故が起これば、困難な対応を余儀なくされ、場合によっては廃業に追い込まれる危険があります。そのような危険な投資には躊躇せざるを得ない面があるでしょう。

次に、小子化から子供にかける財が増してきているとは言われるものの、私立の学校への進学等基本的には、相応の資産がある人に関する事柄であって、保育所が切実に必要な家庭にはそぐわないものであり、そのような消費者からは高額の利用料を取ることは期待できない以上、ニーズがあるとしても、事業として乗り出すことは困難です。

また、公設の施設に関しては、適する建造物がない、土地がないというハード面の問題もあります。

さらに、公設の施設を作るにせよ、民間施設に補助をするにせよ、将来的にも需要が継続するのかの保証はありません。結局、少子化が進行している以上、ある程度の期間の経過した後は、新たに設けた施設にしても、無駄になる可能性があります。現に、過疎地域では、保育所の統廃合が問題となっているのですから。加えて、公設の施設の場合、保育士は公務員になるのですから、利用者が減少した後の人員整理も困難な面もあります。

ただ、最後の議論は、少子化問題の克服が困難であることを前提とするものであり、これを言ってしまってはそれでおしまいなのですが。
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