エッセイ集
□読書ノート
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ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む(1)
半ば、暇つぶしなのですが、以前から読もうとして読んでいないウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読むこととしました。
これはその読書メモ。
キラーフレーズを取り上げつつ雑感を記していきます。
薄い本ですから、すぐに終わってくれるでしょう。
テキストは、大修館の全集一巻です。
とりあえず、ラッセルの序文。
じっくり読んだことはもちろんありませんが、読んでみると爽快です。
7頁 ウィトゲンシュタイン氏は、本来の哲学的なことはいずれも示されうるだけのこと、事実とその論理像とに共通なこと、に属すのだ、と主張します。この考えから、哲学においては何一つ正しいことは語られない、ということが帰結します。哲学的命題はいずれも間違った話し方であり、我々が哲学的議論によって果たされるのを期待し(8頁)てよい最良のことは、人々に哲学的議論が誤りであるとわからせることなのです。
ただ、ウィトゲンシュタインは、この序文に不満だったようですが。
興味深いのは、ラッセルは、「論理定項は、記号によって代表されない」というウィトゲンシュタインの命題から、ウィトゲンシュタインが前記のような考え方を理由づけていると考えていることです。