法律

□民法総則
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《意思表示一般》(1)
【文献】
教材    法務総合研究所・民法総則(第六版)
我妻T   我妻榮・新訂民法総則(民法講義T)
四宮    四宮和夫・民法総則(第四版)
加藤T   加藤雅信・新民法体系T民法総則第2版

1 法律関係,法律効果,法律要件(我妻T230〜235)

法律関係=人類の社会生活のうちで法律の規律を受けるもの
法律効果=法律関係を法律的に保障する一定の効果
法律要件=法律効果を生ずる生活関係

2 法律効果(我妻T231〜232)

民法は,権利本位で構成されているから,民法上の法律効果は,権利の変動(発生・変更・消滅)の形で現れる。

(1)権利の発生(取得)

絶対的発生(取得)=原始取得(先占,時効取得等)
相対的発生(取得)=承継取得
 A:包括承継と特定承継
 B:移転的取得と設定的(創設的)取得

(2)権利の消滅(喪失)

絶対的消滅(喪失)
相対的消滅(喪失)―権利の移転(承継の裏返し)

(3)権利の変更

主体の変更―権利の移転(承継の裏返し)
内容(客体)の変更
 ・数量的変更―所有権の内容の増減等
 ・性質的変更―契約に基づく引渡債権がその不履行により損害賠償債権に変わる場合等
作用の変更―登記を備えて対抗力を取得する場合等

3 法律要件(我妻T232〜233)

法律事実=法律要件を組成する素因(権利の変動を生ぜしめる原因)

民法上の法律事実は,次のとおり。

(1)容態=人の精神作用を要件とするもの
ア 外部的容態(行為)
(ア)適法行為
 A 意思表示
 B 準法律行為(法律的行為)
  a 表現行為(意識内容の表現)
  ・意思の通知→一定の意思表示であるが,意思内容が,その行為から生じる法律効果以外のものに向けられているもの(19条の催告(効果は追認又は取消し),債務履行の催告(153条,412条3項等(効果は時効中断,履行遅滞))
  ・観念の通知→事実の通知(代理権を与えた旨の通知(109条)等)
  ・感情の表示→旧々民法814条2項の宥恕(離婚原因を生じても宥恕をすると,離婚できなくなる。)
  b 非表現行為(先占,拾得,事務管理等)→先占における所有の意思,事務管理における他人のためにする意思
(イ)違法行為(不法行為と債務不履行)
イ 内部的容態※「行為」は問題とならない。
(ア)観念的容態(善意・悪意)
(イ)意思的容態(474条2項等)

(2)事件=人の精神作用を要件としないもの
ア 事実=人の精神作用と関係ないもの(時の経過,人の生死等)
イ 事実行為=人の好意でなくとも同一の効果を生ずる行為(物の破壊等)
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