法律

□不法行為法
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行為の違法性(2)

ウ 商号
特別法上,709条の権利と認められている(商法12条,会社法8条,978条3項)。
「不正の目的をもって」が要件とされているので,侵害行為の態様が問題となる。

エ 工業所有権・知的財産権
特許権,実用新案権,意匠権,商標権,著作権,回路配置利用権などの年利は,関連法律に規定があり,侵害が不法行為になることが定められている(我妻ほかコメ1320頁)

オ 営業・営業上の利益・営業の自由

カ その他
・個人会社の代表者を負傷させた行為について,会社がそのためにこうむった逸失利益の賠償を請求できる(最高裁判所昭和43年11月15日判決・民集22巻2614頁)。
・競走馬の名称を無断で利用したゲームソフトの製作販売について,現行法上,競走馬の名称について,排他的な使用権を認めるのは適当ではないとして,差止めも損害賠償も否定した(最高裁判所平成16年2月13日判決・民集58巻311頁)。
・東京都がその管理する都道に権限に基づかずに自動販売機を設置して占有した者に対して損害賠償請求権または不当利得返還請求権を有するとされたが(最高裁判所平成16年4月23日判決・民集58巻892頁),その行使をしない都に代わって,住民が占有者に対して行った代位請求について,諸事情から都の不行使は違法ではないとされた。

(3)人格権の侵害
ア 身体・自由・名誉
公立図書館の職員が自分の思想により図書を基準によらずに廃棄したのに対し,国家賠償法の適用を否定した原審を破棄し,差し戻した例(最高裁判所平成17年7月14日判決・民集59巻1569頁)。
差戻し審は,一人につき3000円の賠償を認めた(東京高等裁判所平成17年11月24日判決・判時1915号29頁)。
イ 生命
ウ 貞操
エ 内縁関係
内縁関係の不当な破棄及び婚約の不当な破棄については,ともに,契約不履行の理論により損害賠償請求権が認められる(我妻ほかコメ1322頁)。
内縁の夫の両親が内縁関係に不当に干渉して破綻させた場合に,妻に対する不法行為が認められる(最高裁判所昭和38年2月1日判決・民集17巻160頁)。
オ 氏名・肖像・信用
刑事事件において,手錠,腰縄をされた被告人を隠し撮りした写真や描いたイラスト画を写真週刊誌に掲載した行為は,被告人の人格的利益を違法に侵害する(最高裁判所平成17年11月10日判決・民集59巻2428頁)。侵害するするうかんしにきゅうけんが
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