法律

□出入国管理及び難民認定法の概要
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《退去強制手続》(2)

3【審査】

(1)総説
「入国審査官」が,収容された容疑者の引き渡しを受けてからすみやかに行う(45条1項)。
調書作成義務がある(45条2項)。
立証責任は,容疑者にある(46条)。

(2)「審査」後の手続(47条)
・24条各号のいずれにも該当しない→「入国審査官」には「放免」の義務(1項)
・出国命令対象者に該当
 →「入国審査官」は速やかに「主任審査官」に知らせる(2項)。
※その後,「主任審査官」が「出国命令」を出した(55条の3)ときは,「入国審査官」は,「直ちに」放免する(2項)。
・退去強制対象者に該当
 →「入国審査官」は速やかに「理由を付した書面」をもって「主任審査官」及び容疑者に知らせる(47条3項)。
 →「入国審査官」は,3項の通知をするときは,「口頭審理」の請求をすることができることを知らせる(4項)。
※「容疑者」が3項の認定に服したとき,「主任審査官」は,速やかに「退去強制令書」を発付(5項)。

4【口頭審理】(48条)

(1)容疑者は,「入国審査官」の退去強制対象者に該当する旨の「認定」に「異議」があるときは,「通知を受けた日」から「3日以内」に,「口頭」をもつて,「特別審理官」に対し,「口頭審理の請求」をすることができる(48条1項)。

(2)「特別審理官」は,速やかに「口頭審理」を行う(48条3項)。
※調書の作成は義務的(48条3項)。

(3)「口頭審理」後の手続
・「容疑者」が【「24条各号のいずれかに該当する」】旨の認定が事実に相違すると「判定」したとき
 →「特別審理官」は,直ちにその者を放免(48条6項)。
・「容疑者」が【「出国命令対象者に該当しない」】旨の認定が事実に相違すると「判定」したとき
 →「特別審理官」は,速やかに主任審査官に知らせる。 
※その後,「主任審査官」が「出国命令」を出した(55条の3)ときは,「入国審査官」は,「直ちに」放免する(7項)。
・「容疑者」が【「退去強制対象者」に該当する】旨の審査の認定に誤りがないと「判定」したとき
 →「特別審理官」は,速やかに「主任審査官」及び「容疑者」に知らせる(8項)。
 →「特別審理官」は,「49条の規定により異議」を申し出ることができることを知らせる(8項)。
※「容疑者」が8項の「判定」に服したとき,「主任審査官」は,速やかに「退去強制令書」を発付(9項)。

5【法務大臣の裁決】(49条(条文上の題名は「異議の申出」)

(1)容疑者は,「特別審理官」の退去強制対象者に該当する旨の審査の認定に誤りがない旨の「判定」に「異議」があるときは,「通知を受けた日」から「3日以内」に,「法務省令で定める手続」により,「不服の事由を吉舎強いた書面」を,「主任審査官」に提出して,「法務大臣」に対し,「異議を申し出ること」ができる(49条1項)。 

(2)「法務大臣」は,「異議の申出」を受理したときは,「異議の申出」に「理由」があるかどうかを「裁決」して,その結果を「主任審査官」に「通知」しなければならない(49条3項)。

(3)裁決後の手続
・「法務大臣」から【「24条各号のいずれかに該当する」】旨の「認定」に誤りがない旨の「判定」に対する「異議の申出」に理由があると「裁決」した旨の通知を受けたとき
 →「主任審査官」は,直ちにその者を放免(49条4項)。
・「法務大臣」から【「出国命令対象者に該当しない」】旨の「認定」に誤りがない旨の「判定」に対する「異議の申出」に理由があると「裁決」した旨の通知を受けたとき
 →「主任審査官」は,「出国命令」をしたとき(55条の3),「直ちに」放免する(49条5項)。
・「法務大臣」から「異議の申出が理由がない」と「裁決」した旨の通知を受けたとき
 →「主任審査官」は,速やかに「退去強制令書」を発付(6項)。

(4)法務大臣の裁決の特例(50条)
 「法務大臣」は,「口頭審理」の「判定」に対す「異議の申出」に理由がないと認める場合でも,次の各号のいずれかに該当するときは,その者の「在留を特別に許可」することができる(50条1項)。
 1号 永住許可を受けているとき
 2号 かつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるとき
 3号 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものであるとき
 4号 その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき

6【退去強制令書の執行】

(1)執行の主体
原則 入国警備官(52条1項)
例外 警察官又は海上保安官(52条2項)
※条件 (1)「入国警備官」が足りない+(2)「入国審査官」の依頼(52条2項)

(2)送還
・「入国警備官」等は,速やかに「送還先」に「送還」する(52条3項)。
・「退去強制令書の発布を受けた者」が,自らの負担により退去しようとするとき
 →「入国者収容所長」又は「主任審査官」は,その者の申請に基づき,許可することが出来る(52条4項)
・直ちに本邦外へ送還できないとき
 →「入国警備官」は,送還可能のときまで,「入国者収容所」,「収容場」,「その他法務大臣又はその委任を受けた主任審査官が指定する場所」に「収容」することができる(52条5項)。
※「入国収容所長」又は「主任審査官」は,送還することができないことが明らかになったときは,条件を附して,その者を「放免」することができる(52条6項)。

(3)送還先
原則 国籍又は市民権の属する国(53条1項)
例外 前記の国に送還することができないとき→本人の希望(53条2項)
※前記各国には,原則として,難民条約33条1項に規定する領域の属する国を含まない(53条3項)。
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