法律

□民事訴訟法雑記帳
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《訴え却下》

【基礎知識】

訴訟判決=「訴訟要件または上訴要件の欠缺を理由として訴えまたは上訴を不適法として却下する判決」をいう(伊藤448ページ)。

訴訟要件=「裁判所が本案判決の言渡しを行うための要件」(伊藤139ページ)

訴訟要件の種類(伊藤141ページ)
(1)原告による訴え提起の効力
(2)裁判長による訴状送達の効力
(3)当事者の実在
(4)当事者能力
(5)訴訟能力
(6)訴訟代理権
(7)裁判権
(8)管轄権
(9)訴訟費用の担保提供の抗弁(弁論主義)
(10)訴えの利益
(11)当事者適格
(12)不起訴の合意の不存在(弁論主義)
(13)仲裁合意の不存在(弁論主義)
(14)二重起訴の不存在

※請求原因の主張が不十分であるとき
 請求原因の記載は,訴訟物の特定のために不可欠である。
 そのため,記載の有無は,裁判長の訴状審査の対象となる(民訴137条)。
 裁判長は,欠缺が認められれば,補正を命じる(民訴137条1項)。
 裁判長は,補正がなされなければ,訴状を却下する(民訴137条2項)。
 形式的要件の欠缺が看過されて訴状の副本が被告に送達された後に裁判所が欠缺を発見したときは,まず137条を類推適用して,裁判長が補正を命じ,原告がこれに応じないときには,裁判所が判決をもって訴えを却下する(140条。伊藤170ページ注76)。
 そこで,請求原因の特定が不十分であるとき,被告は,訴え却下の判決を求めることも可能である(私見)。
 しかしながら,実務上認められることはほとんどない(伊藤SD)。
【行政訴訟においてその欠缺に訴えの却下が認められる事項】
(1)処分性(行訴法3条2項)
(2)原告適格(行訴法9条1項)
(3)協議の訴えの利益(行訴法9条1項括弧書き)
(4)被告適格(行訴法11条1項〜4項)
(5)管轄(行訴法12条1項〜3項)
(6)出訴期間(行訴法14条)
(7)不服申立前置(行訴法8条1項ただし書)
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