法律

□刑事証拠法ノート
8ページ/8ページ

第7 証明力

 証拠の持つ裁判官をして事実についての心証を形成させる効力のことを証明力(証拠価値)という。
 「証拠の証明力は,裁判官の自由な心証に委ね」られている(318条),この建前を自由心証主義という。
 ただし,勝手気ままにどのような判断でもできるということではなく,証拠の評価はあくまで経験法則や論理法則に従った合理的な判断でなければならない。

※ 証拠の意義と種類に関する用語

・証拠:事実認定の資料

・直接証拠:要証事実を直接証明するのに用いる証拠
 間接証拠:要証事実を直接証明できないが,これを推認させる事実を証明するのに用いる証拠

・本証:要証事実について挙証責任を負っている者がその事実を証明するために提出する証拠
 反証:相手方がその事実を否定するため提出する証拠

・実質証拠:証拠が要証事実の存否の証明に向けられるときのその証拠
 補助証拠:実質証拠の証明力の強弱に影響を及ぼす事実(補助事実)を証明する証拠

・弾劾証拠:実質証拠の証明力を弱める証拠
 増強証拠:実質証拠の証明力を強める証拠
 回復証拠:一度弱められた証明力を回復する証拠

・人的証拠:証拠方法の物理的な形が生存している人間である場合
 物的証拠:証拠方法の物理的な形が生存している人間以外である場合

・人証:口頭で証拠を提出する証拠方法
 物証:その物の存在及び状態が証拠に用いられる物体
 書証:その記載内容が証拠となる書面

・供述証拠:言葉によって表現された思想(供述)を証拠として用いる場合〜人証,書証
 非供述証拠:犯罪の痕跡が人の知覚以外の物に残ったとき〜物証
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ