雑学手帳

□ビジネス・仕事
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アクティブラーニングで,常識をひっくり返す発想のことを「常識リバース」というそうだ。
たとえば,1971年に販売され,販売累計200億食を超えた「カップヌードル」は,「料理には時間と手間がかかる」という常識をひっくり返し,手間も時間もかけず,食器すらいらない商品である。また,ウォークマンも,音楽は機器を前にしてスピーカーの前で聴くものという発想を覆した。このような常識リバースが爆発的な大ヒットを飛ばした商品やサービスの共通したポイントであると羽根拓也(アクティブラーニングスクール代表・デジタルハリウッド大学・大学院専任教授兼CLO)はいう(「独立力養成講座V」『アントレ2008年6月』206頁)。
そういえば,同じ号に保険代理店・株式会社おまかせホットラインが扱われていて,その営業の成功は

「保険業界には『営業は断られたところから始まる』なんて言葉がある。」

という保険業界の常識を

「でも自分自身でも振り返ってみると,しつこくセールスされて物を買った経験なんてないんです。それより商品の魅力をしっかり伝わるようにして、ほしい人の目の前に置いて上げれば,勝手に『売れる』だろうと思ったのです。」

と考えて,これまでの定石であったダイレクトメールを先に送り,届いたころを見計らって,それが着くころに電話をかけてセールスをするという方法を変え,先に電話でダイレクトメールを送るかどうか確認をした上で希望者にだけダイレクトメールを送るというやり方に改め,これを実践するために

「厳禁にしたのは『ご案内』という言葉。それを口にしたとたんセールスだと判断され電話を切られてしまいます。そこで『お客様の入られている保険についてご確認したい』と言い換えるようにしました。一方で,保険知識のないパート社員でも対応できるよう,尋ねるのは基本的に『DMを送っていいか』ちおうことだけに。NOなら無理に引き伸ばさないことにしました。」

そうしたところ

(ダイレクトメールを)「3287通送ったうちの380通,11%が成約になりました。これは従来の手法の10倍以上の数字。自分でも驚きましたね。」

との成果が出たことを、同社の経営者である田中正弘は語る(前同22頁〜23頁)。

これも,保険業界の営業の常識を反対にして考える「常識リバース」の典型の一つといえるのでは。
因みに,この記事にもよく出ていたけれども

「売れる仕組みを作る」

というのが最近の起業のキーワードのようです。
何やら「ドラゴン桜」を思い出します。

ただ,常識破りとか,発想の転換はよく言われるところで,常識はずれのことをやれば常にうまくいくということでもないのでしょうが。
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