TOS+その他
□蜂蜜気分
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ファンダリアの花を求めて森奥深く入っていく。
「大丈夫か、注意しろよクラトス」
大分歩いたろうか、ユアンは前を歩くクラトスに警戒を促し続けていた。
「…大丈夫だ、モンスターの気配はない、今のところは」
「…モンスターもそうだが、お前は大丈夫なのか?」
ユアンの問いにクラトスはきょとんとした。
「…私?」
「そうだ、今朝から歩きっ放しで水も飲んでないだろう。マーテルやミトスに譲って」
「…そう、だったか。いや私なら平気だ。」
「しかし…」
ユアンは言い淀んだ。お前は女なんだぞ、そう言ってしまえばクラトスの怒りを買うのは必至、力はユアンが勝っているがまさかクラトスとはいえ仲間に、好いた女に手を挙げる訳にはいかない。
「…本当に大丈夫なんだな」
「心配し過ぎだ。行くぞ」
クラトスは歩みを速め、ユアンは溜息を吐きつつ後を追った。
やがて森が開けて―――花園が姿を現す。
「…これは」
ファンダリアの花園だった。白い美しい花の群れにふたりは感嘆の吐息を漏らした。
「…綺麗だな」
「あ、ああ…だが」
ユアンはクラトスに向き直り生真面目な顔で言った。
「お前も負けず、綺麗だ」
一瞬間を置いてクラトスの顔が真っ赤に染まる。
「な、何馬鹿な事を言っている!」
「私は本気だ」
「ユアン…!」
クラトスは眉を下げる。騎士として生きてきたクラトスは女性扱いされる事に慣れていない。こうして過剰反応する事が多かった。そしてそんなクラトスを愛しいと思うユアンだった。
「は、早く花の蜜を集めて戻るぞ!」
わたわたと赤い顔のままに花畑に屈み込むクラトスをそっと後ろから抱きしめた。
「…な、なに…」
「クラトス」
低い声でクラトスの耳元に囁きながら、騎士服の上から胸に手を這わせる。服の上からでも存在を強調する豊かな膨らみを揉みしだくと、甘い声を上げてクラトスはのけ反った。
「あっ、いやぁ…ユアンッ」
「クラトス、お前が欲しい」
「こ、ここで!?」
「ああ…嫌か?」
そう言いながらクラトスの耳に舌を這わせるとクラトスの抵抗が目に見えて弱くなった。