ゆめ。
□帰郷
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仰ぐとどこまでも続く青。白い砂浜を憎らしい程眩しく照らす太陽。この炎天下の砂浜を走っている者達がいた。
「オラァ!サボるんじゃないんどぉ!ヤナファーナーっ!!(クソガキ!)」
竹刀を振り回し、倒れる者達を次々叩きだす。
「…あんハギー…いつか死なす…」
「…田仁志、聞こえるさー」
「へぇへ」
どんどん倒れる仲間を後ろに見ながら先頭を走るのは、長身のスラリとした者と、巨漢でマラソンには不向きな感じの者が走っていた。
「…凛達…今頃何やってるかなぁ…」
「…南の島に遊びに行った訳じゃない…強化合宿で毎日練習に明け暮れてる筈さー」
「知念は心配じゃないやんに?」
「……別に」
滴る汗を拭い、知念は眉ヒトツ動かさず田仁志から視線を外し、ゴールの学校に向けて更に駆け出した。
───
「平古場くん、甲斐くん、二人ともそろそろ起きなさいよ」
南の島での強化合宿が終わり、沖縄への帰りの飛行機で凛と甲斐は、木手に起こされた。
「んー木手…着いたのか?」
「もうすぐ着陸です、二人ともシートベルトしなさいよ」
そう言われて甲斐はノロノロとシートベルトを絞めると、その隣りで凛はまだ眠りから覚めず寝息を立てていた。