ゆめ。

□7月3日。
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たかが誕生日ごときで、こんなにウキウキしているなんて、女子じゃあるまいし…やっぱカッコ悪い…よな…



毎年特に特別な予定がある訳でもなく、とりあえず「おめでとう」くらいは言われて、せいぜい家族でケーキ食って終わる日。
だから、ウキウキした所で何も変わらない。


ま、去年は何故か千石がそこに加わっていたが…。


苦笑いしながら布団に転がり、読みかけの雑誌を広げた。


♪♪♪♪


「誰だこんな時間に…」

充電中の携帯電話を引っ張って、南は画面の文字を見て呟いた。


「やっぱり…千石からのメールか…」

ポチポチと携帯のボタンを押すと、件名に「明日に見てね♪」とあったが、南は構わず開いた。



『南ハピバ〜\(^_^)/一番乗りイタダキ♪じゃ学校でねぇ〜(はぁと♪) アナタの千石より』



「…」

多分誕生日祝いメールだとは思っていたが、嬉しいやらなんやら南はガックリと肩を落とした。


やっぱり今年もお前か…千石。別に嬉しくない訳じゃないんだが…なんだかなぁ…。
南は自分の頭をクシャクシャと撫でてから携帯を元に戻し、今度は電気を消して布団に潜った。



…千石、ありがとう。



そう呟きながら南は、いつの間にか熟睡していた。

ふたたび携帯が鳴った事には気付かないで。

本当のサプライズはこれからだった。









メール受信1件。

それを報せる明かりが、南の寝顔をチカチカと照らしていた。




Happy Birthday
南 健太郎くん♪




 
 

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