ゆめ。
□バレンタイン
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「賭けるか?」
「悪趣味ですね…」
「じゃ、俺は1!」
「うわ、ひで…1って!」
「0よかいいだろぃ」
「僕は3にしようかな」
「幸村部長っ!?」
「今までからいうと、受け取らないと言うのが本当の所だが…ただ本命などが現れれば分かり兼ねるな…」
「や、柳先輩まで…つか本命って?!」
立海大付属テニス部部室で、レギュラーメンバー達が何やら言い合っている。
レギュラーメンバーのみのミーティングには、いつもは一番に乗り込んでいる筈のメンバーが不在だった。
待ちくたびれて雑談をしていたら、近々くるあのイベントの話題になっていた。
「よし、ブン太は1、幸村は3、柳は受け取らないから0、赤也は?」
「ええっ俺も賭けるんスか!?」
「当然じゃろ?柳生、ジャッカルお前さんらは?」
銀髪の間から覗く瞳が悪戯っぽく光る。
「…全く仁王君は……じゃ、私は丸井君と同じ意見にします」
「ったく、仕方無いな…じゃあ俺は2で」
「了解ナリ。柳生は1でジャッカルは2と…ほれ赤也、早くするぜよ」
「わ、分かったっスよ…ところで何を賭けるんスか?」
赤也が核心に触れると、一斉にみんなが視線を向けてきた。
「な、なんスか…」
「空気の読めん奴じゃのう……」
仁王が呆れたように呟く。
「シッ」
幸村が口元に指を当てると、赤也以外のみんなは定位置につき、何事もなかった様にしていた。
ガチャリと部室の扉が開くと、息を切らせた真田が現れた。