Novels

□手
1ページ/2ページ

  ―ラビsaid―



 俺が子供の頃、よくユウの柔らかい手を引いて修練場に行ったものさ。



 手を握るとユウは、

  きゅぅ…

っと握り返してくる。


 ぶっちゃけ可愛い。


 人形みたいに、
白くて小さくて…
ちょっとひんやりとしたユウの手―…俺のお気に入り。

 小さいから六幻をうまく持てなくて両手で構えるのを見るのが、楽しみだったなんてユウには内緒さ?

 今ユウは大きくなって当然手も大きくなったよな…。
 でも相変わらず白くて華奢でひんやりして気持ちいいんさ〜。

 あと知ってた?
 ユウの指って、しなやかなんさ。手を組んでる時なんか手の甲から弓なりに反って―…かなり色っぽい……。
 口づけを落としたくなるくらいに…。


 今はユウが気にするから昔みたいに人前では手を繋げない。


 ……けど時々、我慢できなくなる――――…………





 今日は久しぶりにユウが任務から帰ってきた。廊下で俺はいつものように
 「おかえり〜!!」と言って隣を歩く。そっと手を這わせ、ユウの手に触れる。
 あ―――………殴られるかもな―…

 きゅぅっ…

 えっ!?ユウ?
 見るとユウは俯いてる。あ?…耳赤いさ〜。動作ひとつひとつが愛しい。

 ほんとうにもう///この人はこんなにも幸せをくれる。

 ユウ……ありがとう方を並べて歩いてくれて。





 昔のような
 しっかりとした繋がりは俺達の中にひっそりとしまっておこう。




(神田saidに続く→)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ