ガンダムSEED&DESTINY

□暗闇、そして・・・。
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「キラ?帰ったのかなぁ?」
まったく、いつも勝手なんだからとぼやきながら痛む身体をもう一度ベッドの中に戻した。
そこでアスランは急な不安に襲われた。
本当にここはアークエンジェルなのか?
キラは生きていたのだろうか?
闇があたりをつつむ。
不安が不安を呼び、胸が苦しくなる。
実はキラもアークエンジェルも沈んでなくなっているのでは?
今までのことが幻だったら・・・。
アスランの夢だったら・・・。
「キラッ!」
不安に押しつぶされそうになり、アスランは思わずキラの名前を叫んだ。
それと同時くらいに医務室の扉が開いた。
「何?どうしたの?」
部屋に入ってくるなり名前をよばれ、きょとんとしたキラが医務室の扉を閉めベッドに近づいてきた。
「キラ・・・」
「あぁ、ごめんね。もしかして起こしちゃった。ちょっとトイレに行きたくなってさー」
ははは、と軽く笑うキラはアスランの隣にもぐりこんできた。
そこでいつもと少し違う様子のアスランに気がつき、キラはアスランの顔を覗き込んだ。
「どしたの?アスラン?」
「目を覚ましたらキラが、キラがいないから、もしかして今までのことは全部夢で、キラも、アークエンジェルも本当はなくて・・・。皆死んでしまったんじゃないかって・・・。」
怪我の痛みとキラが、大切な人たちが本当は死んだのではないかという恐怖や不安に震える身体を両腕で抱き寄せたアスランは震える声で話す。
不安で呼吸が止まりそうで、喘ぐように声を絞り出す。
次々と俺の瞳から涙が溢れでると同じように、どうしようもなく不安が止まらない。
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