Book★1

□雪の花びら(08.11/21)
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どんなに大切な思い出でも



浄化してゆくの 一つ一つ



白く光る 雪の結晶



溶けながら こぼす雫は艶やかに







ここに君はいないね。

それが未だに理解できない。

落ち着いた部屋 飾り気のない部屋

けれど どこにもまだ 君の カケラ。

ぬくもり。




僕から手をはなした。


…理由はわからない。


ただ、強くなれなかった。


大好きだった。…今も きっと。



冬の静けさ。肌を刺す冷たさ。

現実はちくりちくり 迫ってくる。


…寒いな。


 手をひらいて ああ ひとりだと思う。


床から伝わる ひややかさが何だか
なぐさめてくれていた。

上着を着たら 出かけなくちゃ。
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