Book★2
□噛みちぎるほど、好きなオモチャ。
1ページ/8ページ
どうして私は、
いつもこんなに弱いのだろう。
「…ほんとによかったの?約束すっぽかして。」
うん。
貴方といられるのなら、他のことなんかどうでもいい。
…なんて言えずに。
「いいの。壱といた方が楽しいもん。」
なんてね。
利用されてあげる。
「ふうん。悪いコだなぁ…。」
バレンタインも当の昔に通り過ぎたのに、壱の周りにはいまだ お菓子やら花束やら貢ぎ物の山。
「イチ、これ食べてい?」
まるで邪魔だと言わんばかりに、隅に積み重ねられた綺麗な箱たち。
私はそこから無造作に一つを取り上げ、蓋を開けた。
「…中身なんだった?」
「確認してないんだ?」
だって沢山ありすぎる、と溜息を吐きながら寝転ぶ。
山積みにされた、貴方への想い。
片っ端から食べているのは、小さな抵抗。
.